2020/12/28
原状回復工事とは?店舗テナントやオフィス退去時に必須の撤去工事の概要を詳しく解説します
店舗テナントやオフィスを退去する際には、「原状回復」をすることが条件になっていることがほとんどです。実際借地借家法には、一定の事実によって法律関係が変化した時、それを再度もとの状態に戻すことが必要ということが明記されています。
しかし原状回復といっても、そもそも現状回復とは何か、どこまですればいいのかなど疑問は多いのではないでしょうか。本記事ではそうした疑問を解決し、想定外のトラブルを回避するための正しい知識を身につけておきましょう。
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原状回復の基礎知識はYouTube動画でも解説しています!
原状回復工事の基礎知識に関しましてはウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。この動画では10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひご参照ください。
原状回復とは
原状回復とは、オフィスや店舗を借りた時点での、最初にあった状態にすることを指し、賃貸借契約にて物件を借りる際に用いられます。そして原状回復工事とは、文字通り原状回復のための工事ということです。
原状復帰との違い
原状回復と似た言葉に「原状復帰」があります。「原状回復」と「原状復帰」は実は意味としては同じで、違いは使われるシーンにあります。
原状回復・・・法律用語であり、賃貸物件の退去の際に、入居時の元の状態にもどすこと
原状復帰・・・建築用語であり、建築関係に関わる言い方
これに当てはめると、テナントやオフィスを撤去する際に使われるのが「原状回復」ということが分かります。
現状回復との違い
原状回復と似た言葉に現状回復があります。「現状」とは現在の状態を指し、「原状」とは借りた際の状態に回復する事を意味します。その為現状回復という言葉は、賃貸借契約において誤りになります。
一般住宅の原状回復と異なる点
一口に原状回復といっても、オフィスと一般住宅における異なる点があるため注意が必要です。それは、一般住宅では必要ない原状回復も、オフィスなどでは全て借入側の義務になるというものです。
具体的には、一般住宅の場合、畳や壁紙の日焼けなど通常使用での経年劣化は、借入者の責任とはなりません。一方テナントなどの場合は、経年劣化も含め原則全てが借入側の義務となってしまいます。トラブルを防ぐためにも、賃貸契約を結ぶ際に契約書はしっかりと確認しておきましょう。
原状回復が必要な範囲は
原状回復とはいっても、具体的にどこまでの工事をすればよいのでしょうか。もちろん賃貸契約や物件などによって細かい内容はそれぞれ違いますが、大まかな目安として「使ったものは新調する。入居後に設置したものは撤去する」という認識でよいでしょう。
例えばオフィス内にバーカウンターを設置した場合は、カウンターから棚、旧排水管まで全て撤去する必要があります。それ以外に通常必要な作業として、壁紙の張り替え、電話回線の撤去や回復、窓・フローリング・天井などの汚れの除去など様々あります。
ただし、住居兼事務所の物件では原状回復の範囲が、一般住宅と同様な場合もあるので、どちらにせよ賃貸契約書を確認し、必要な作業を知っておきましょう。
工期について
原状回復工事を行うタイミングですが、店舗やオフィスの場合は、契約期間終了までに現状回復を完了させることが一般的です。もし契約期間終了後も工事が続いていた場合、追加で家賃等を払わなければいけないこともあるため注意しましょう。
工期は工事内容によって大幅に左右されます。大規模なオフィスや空調・照明の設備を撤去する場合には1ヶ月以上必要なケースもあります。
逆に小規模な工事だけであれば、1週間とかからず完了するケースもあります。原状回復工事を行う際は、業者に問い合わせるのは2ヶ月以上前をお勧めします。ゴールデンウィークや3月の繁盛期には業者を確保することも困難になるためです。
原状回復工事の流れ
ここからは実際の原状回復工事の流れを見ていきます。
1.賃貸契約書に基づき、現場回復義務のある範囲を確認する。
2.原状回復工事について施工業者に問い合わせる。
3.施工業者による現地調査の実施及び、工事内容の認識を合致させる。
4.工事の見積もりと工期の確認。
5.業者への工事の発注。
6.工事の施行完了と、オーナー側への物件の引き渡し。
以上が原状回復工事の具体的な流れです。イメージを掴んでトラブルの無いようスケジュールを立てていきましょう。
オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。最低でも半年から3ヶ月程度の期間を要するとされています。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
まとめ
本記事では原状回復工事について、言葉の意味や工事の概要をご紹介してきました。原状回復工事は、賃貸契約の中でもトラブルが起こりやすい部分です。業者やオーナーと十分検討して、スムーズに退去できるようにしましょう。
施工主のみで判断するのが難しい場合は業者に頼ることがおすすめです。複数の業者に相談し見積もりをとれば、それらを比較検討することで、相場の費用で工事を行う事に繋がります。
また、優良な解体業者に見分け方に関しましては、こちらの記事一覧ページにてまとめております。こちらも合わせてご参照ください。
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