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賃貸テナントに残された「残置物」の処理方法|放置された家具や機器は誰のもの?正しく処理してトラブルを防ぎましょう。

「残置物」の処理方法

賃貸テナントを新しく借りたはいいけど、前に使っていた人のものであろう私物が残っている!なんてことがあったら、困ってしまいますよね。いわゆる「残置物(ざんちぶつ)」は、一体誰の物であるのか誰が処理すればいいのかついて解説していきます。

今回は貸主、借主両方の立場での残置物の対象方法についてします。また、原状回復に関する節約術は、こちらのカテゴリページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください

目次

残置物(ざんちぶつ)とは

残置物(ざんちぶつ)とは

残置物とは、退去をする際、前の借主が置いていった私物や設備のことを指します。通常、賃貸物件の退去時には、原状回復を施すことが一般的です。原状回復とは、借りる前に戻すことであり、当然残置物も撤去しなければなりません。

しかし、一部の例外を除いて、残置物として残される場合があります。一般的には、忘れ物である場合が多いですが、中には、退去費用や撤去費用が払えず夜逃げなどをしてしまう人の荷物も残置物となってしまいます。

また、以前の借主が貸主の了承を得て残置物を残すこともあります。主に設備等が対象になりますが、空調やエアコンなど、まだ使えそうなものはそのまま撤去せずに残していくパターンもあります。

店舗テナントの残置物の例

店舗テナントの残置物

  • 什器
  • 家具
  • 空調設備
  • 厨房設備
  • 消火設備 など

オフィステナントの残置物の例

オフィステナントの残置物

  • エアコン
  • 間仕切り
  • 配線
  • 椅子
  • 事務機器 など

設備と残置物は異なる?

設備と残置物は異なる?

店舗を借りる際に、エアコンや、ガスコンロ、トイレの温水洗浄便座など、始めから取り付けられているものがあります。これらは残置物とは言わずに「設備」として扱われます。故障したときの対応も違い、基本的に「設備」に関しては貸主に修繕義務があります。

一方で残置物の修繕義務は、その契約内容によって貸主と借主のどちらにあるのか異なる可能性があります。残置物の所有権はだれのもになるのでしょうか。次の章で詳しく解説していきます。

残置物は誰のもの?

残置物は誰のもの?

では一体、店舗に残された残置物は誰のものになるのでしょうか。少々ややこしくなりますが、残置物の所有権はその修繕義務、撤去義務も含めていくつかのパターンにより異なって参ります。それぞれのパターンを良く理解してスムーズに残置物の処理を行いましょう。

前の借主と貸主の合意の上で残した場合:残置物の所有権は貸主にある

前の借主と貸主の合意の上で残した場合:残置物の所有権は貸主にある

当然ですが、前の借主、貸主が双方の合意の上で残置物を残した場合、その所有権は貸主のものになります。原状回復費用が浮くため、前の借主にとっては非常にありがたい状況であるといえるでしょう。貸主はその残置物が使えるものかどうか、よく判断した上で引き受けましょう。

新しい借主と貸主の合意の上で新しい貸主に譲渡した場合:残置物の所有権は新しい借主にある

先程述べたとおり、すべての手続を踏まえた上で、賃貸契約によって、新しい借主へ残置物の譲渡が可能です。逆に言えば、特約で明記しておかないと、残置物は貸主のものとなってしまいます。賃貸契約を結ぶ際は、残置物の所有権(撤去する場合の負担義務も含む)を明記しておきましょう。

前の借主が勝手に残していった場合:残置物の所有権は貸主にある

前の借主が勝手に残していった場合:残置物の所有権は貸主にある

結論から申し上げますと、夜逃げや故意などで前の借主が置いていった残置物の所有権は貸主にあります。ここで注意しなければならないのが、所有権が貸主にある以上、その撤去費用や修繕費も貸主が負担しなければなりません。

さらに、新しい入居者やテナントが、オーナーの許可を得ずに残置物の処理を依頼した場合であっても、残置物の所有権をもつ貸主にその費用を請求する権利があり、貸主は修理費を負担する義務があるのです。

そうならないためにも、前の借主にその費用を請求するべきですが、何らかの理由で連絡が取れない場合でも、そのまま所有権が貸主のものになってしまいます。

さらに、原則として、他人の所有物であるものを処分するのは許されていません。では残置物があった場合、貸主であるオーナーや不動産管理会社は、どのように対処すればよいのでしょうか。

①前入居者または連帯保証人に連絡をして処分費を請求するor処分の合意を得る

置いていったものを前の入居者が取りに来ることはほとんどありませんが、中には後日取りに来る場合もゼロではありません。許可なく勝手に処分しまっては、トラブルにつながる可能性があります。まずは前の入居者に連絡をして、残置物の引き取りを依頼しましょう。

また、夜逃げなどの場合は、前の借主はこの連絡に応じてくれません。そうなった場合は、地方自治体などへの許可を経てから、残置物の撤去を行う必要があります。残置物撤去の依頼先は後ほど説明します。

②賃貸契約書に特約を設けて新しい借主のものとする

すべてが貸主の負担ではあまりに貸主が不利であることから、賃貸契約書に特約を設けてその所有権を新しい借主に譲渡することが認められています。新しい借主の合意のもとで、残置物の所有権が新しい借主に移ります。そうなった場合、当然その修繕費等も新しい借主負担になります。

残置物の撤去方法

残置物の撤去方法

残置物撤去の方法は非常にシンプルです。貸主様ご自身で処理するか、残置物撤去の業者に依頼するかになります。ただし、事業目的であるテナントの残置物の処分は基本的に「産業廃棄物」扱いになるという点です。

産業廃棄物処理の観点から、撤去は業者に依頼するのがもっともスムーズで確実です。もちろん私たち株式会社ウラシコにお任せください。残置物処理の専門業者として10年以上のキャリアと実績があります。お見積り、ご相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

信頼できる残置物撤去業者の見分け方

残置物の撤去は専門業者に依頼する

残置物の撤去は専門業者に依頼するとして、信頼できる撤去業者の見分け方や依頼時にチェックするポイントをご紹介します。良い業者は残置物撤去以外でも、原状回復工事や入居時の居抜き工事でもお世話になることもあるでしょう。

店舗を運営するパートナーとして寄り添ってくれる業者を選びましょう。

①残置物撤去だけではなく、原状回復工事も可能である

残置物撤去だけではなく、原状回復工事も可能である

残置物の撤去だけの業者は数多くありますが、可能であれば原状回復もセットで対応可能な業者に依頼しましょう。退去に関する諸々の手続きを一本化することでスムーズな処理が可能になります。また原状回復業者であれば、空調や造作設備に関する知識も多く、適切なアドバイスをいただけるでしょう。

②ビフォーアフターのサポートが充実している

残置物の一時的な保管

残置物の撤去業者には、「残置物撤去の行政手続きサポート」「残置物の一時的な保管」「残置物の買取」「残置物のクリーニング」など様々な付帯サービスを要している業者があります。このような業者に依頼することで費用を抑えるだけではなく、様々なメリットを教授できるでしょう。

③見積もりが明確である

優良な業者は見積もりが明朗で分かりやすいです。〇〇一式などで記載をごまかさない業者にしましょう。そのような業者は、実は必要ない作業が含まれていたり、あとで追加請求があったり、しかねません。サービス内容を明確に細かく記載してくれる業者を選びましょう。

④産業廃棄物収集運搬業の許可を持っており、産業廃棄物マニフェストが発行できる

残置物の処理には産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります。このような許可を持たずに、違法に営業している業者も多くあるので、注意しましょう。また、不法投棄を防ぐ産業廃棄物マニフェストをきちんと発行する業者を選びましょう。

⑤古物商許可証など不用品買取資格を持っている

古物商許可証など不用品買取資格を持っている

古物商許可証を始めとした、廃棄物や不用品の買取資格を持っている業者に依頼しましょう。残置物によっては、ただ廃棄するだけはなく、買取後に売却することもできます。このような資格を持っている業者は買取後の売却で利益を担保するため、見積もりがお得になりやすいです。

店舗の残置物の撤去費用相場

店舗の残置物の撤去費用相場

あくまで大まかな目安となりますが、1立方メートルあたり5,000円〜15,000円程度になることが多いです。立方メートルという単位だとイメージしにくいかもしれませんが、30坪程度のテナントの場合、2トントラック1台分でおおよそ15万円から30万円程度になります。

店舗やオフィスなどテナント物件の残置物の撤去費用は、住宅と違い一概に相場を出すことが難しいです。業種ごとに残置物の種類が大きく異なるため、建物の大きさや残置物の量で相場を出すことができません。まずは業者に問い合わせみることをおすすめします。

残置物トラブルを避けるためには?

残置物トラブル

残置物トラブルとは、賃貸住宅などの契約終了時に、退去する際に残された物やゴミを巡るトラブルのことを指します。このようなトラブルを避けるためには、以下のポイントを意識しましょう。

【貸主側】解約書や契約書に、残置物は貸主の意向で処分可能と明記する

解約書や契約書に、残置物は処分すると明記する

物件契約終了時に、貸主は、借主に依頼して契約終了の書面を書いてもらいます。その書面に、明け渡し時に物品を残した場合、残置物の所有権を放棄することを明記させましょう。万が一借主が所有物を置いて帰っても、承諾を得ずに処分することが可能となります。

また、賃貸借契約書にも、物件明け渡し後は、物件内にある残置物の所有権を放棄するということを明記しておくことをオススメします。しかし、これはあくまで明け渡しが完了した後で適応されます。完了していないのにも関わらず残置物を処分してしまうと、違法と判断される可能性が高いのでご注意ください。

【貸主側】新しい借主の賃貸契約時に残置物を説明、譲渡する

新しい借主によっては、前の借主の私物が置いてあることに対して、ありがたいと思う人もいれば、不快に感じてしまう人もいます。また、そもそもその残置物が必要ない場合もあります。そのときの残置物の所有権と撤去費用の負担者を明確にしておくため、賃貸契約書に明記しておきましょう。

また、残置物は最初に話しておかないと後でトラブルになってからでは遅いです。貸主は残置物の必要について、新しい借主とよく話しておきましょう。新しい借主は、その残置物が故障していないか、耐用年数は十分にあるかなど、残置物の価値をよく見極めましょう。

【借主側】入居前の内見時に証拠写真を撮っておく

入居時に証拠写真を撮っておく

借主は残置物があるかどうか、内見の際にしっかり確認しておくことが重要です。万が一、確認をしたものの入居後に身に覚えのない残置物があった場合は、オーナーに確認をとって、その物が設備なのか残置物なのかを確認しましょう。

また、残置物があった際は、その状態もよく控えておきましょう。万が一ではありますが、入居までに残置物が壊れてしますということあります。そのような場合は、証拠写真をもとに、貸主と借主、どちらが修繕費用を負担するか、交渉することができます。

【借主側】残置物の所有権、修繕義務の特約を確認する

修繕義務の特約を確認する

残置物の修繕などの義務は、通常は貸主にあります。しかし、物件契約前に特約として残置物の修繕が借主になっていることも少なくありません。そうなった場合、残置物の修繕義務は借主となります。

借主は、残置物の状態をよく確認しておくとともに、残置物の所有権をよく確認しておきましょう。タダで貰えるからラッキーと考えていると、故障などで思わぬ出費につながるかもしれません。残置物の譲渡は双方が納得した状態で行いましょう。

まとめ

残置物の対処法について説明してきましたがいかがだったでしょうか。トラブルに巻き込まれないためにも、まずは貸主、借主双方が賃貸契約書類よく目を通し、残置物の所在を明確にしておきましょう。

また、万が一、不慮の事態で残置物が残されてしまった場合は、早めに管理会社や残置物撤去業者に相談しましょう。信頼できる業者の選び方はこちらの記事でさらに詳しく記載していますので、こちらも合わせてご参照ください。

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