2021/07/15
石膏(せっこう)ボードとは?内装での使われ方から解体処分方法まで解説いたします
建物には欠かせない石膏ボード。石膏ボードは建築現場での使用はもちろん、DIY好きにも注目を集めている建築資材です。日本では大正時代から製造が始まり、今日まで広く使われています。
しかし名前は聞いたことはあるけど石膏ボードが何なのか、どんな役割があるのか知らない方も多いのではないでしょうか?それもそのはず。石膏ボードは普段私たちが目にしない場所に使われていることが多いからです。
この記事では石膏ボードを広く知ってもらうためにわかりやすく解説します。建物を解体するときの処理方法や廃棄方法も載せているため、これから解体作業を依頼する方も参考になると思います。
また石膏ボードと同じように解体工事現場でよく使われる「LGS(軽天)」「PB(プラスターボード)」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。
目次
石膏ボードとは
石膏ボードは建築資材で建物の壁や床の下地材として使われています。石膏ボードは石膏と紙からできており、水を含ませることで石膏が紙の繊維に入り一体化します。そこに消石灰や粘着剤を混合し、板状にしたものを使用します。
石膏は自然の鉱物、硫酸カルシウムを主成分としているため人体にも安心な建築資材です。それでは石膏ボードを使うことによってどんなメリット・デメリットがあるのでしょう。
石膏ボードのメリット
耐火・耐熱性に優れている
石膏ボードが建築に欠かせない理由は、耐火性や断熱性に優れているためです。火災で石膏ボードが高温になっても水蒸気が出るため、炎の広がりも抑えることが出来ます。
なぜなら石膏ボードは約21%の結晶水が含まれており、高温にさらされると熱分解で水蒸気に変わります。水蒸気がでている間、石膏ボードの温度は一定数上昇しないため断熱材の役割も担っているのです。
遮音性に優れている
また遮音性にも一役買っているのが石膏ボードです。石膏ボードはおもに壁の内側に使用されています。壁と石膏ボードの二重構造で、音の伝わりが半減します。
そのため、遮音性を高めるために使用することもあります。遮音性は石膏ボードを重ね張りするとより高まるため、静かな空間にしたい場所で徴用されます。
安価で手に入る
最後はとくにDIYをしたい方におすすめしたいメリットです。石膏ボードはとても材料費として安く、ホームセンターで売られているものは1枚当たり500円以下が目立ちます。もちろん、建築資材とつかうことで施工費を抑えられるため、工事予算を抑えたい方にもおすすめです。
石膏ボードのデメリット
石膏ボードはボードなので面の衝撃に強いです。その反面、するどいものの衝撃には弱く、画鋲や鋭利なものがぶつかると、欠けたり穴が空いたりします。一般的には壁の内側に使用されるため問題ないと思いますが、それ以外の使い方をしている場所では注意が必要です。
耐火性や遮音性に優れている石膏ボード。実は水に弱い性質を持っています。そのため水回りに使われることは少ないです。とはいえ、近年では耐水性に優れた石膏ボードも販売されています。使用する場所に応じて石膏ボードを使い分けてみるのもいいでしょう。
石膏ボードが使用される箇所
石膏ボードが使われている箇所は様々。住宅の場合だと壁や天井、床でメインに使われています。マンションやビルの場合は壁や天井はもちろん、鉄骨を覆う対価被覆として利用されているところも多数あります。
石膏ボードの解体処理方法
石膏ボードの解体はおもに施工業者が行うため、知らない方も多いでしょう。業者に依頼するときも解体処理方法を知っておくと安心ですよね。
合わせて廃棄方法も把握しておきましょう。業者の中には正しい廃棄処理をしないところもあります。事前に知っておけば、そのような業者にあたる心配も少なくなります。
石膏ボードの解体処理方法
石膏ボードの解体は意外に簡単。解体バールという桑のようなものを使って、石膏ボードをはがしていきます。効率よくはがすには、石膏ボードと垂木に間に解体バールを差し込むのがコツです。石膏ボードが塊の状態ではがせるので、より速い処理が可能です。
石膏ボードを解体処理するときは大量の粉塵が出るため多くの場合、養正を使い周辺に粉塵が広がるのを防ぎます。古い建物では石膏ボードにカビが発生していることも。カビ胞子の飛散対策にも養正は必須アイテムといえるでしょう。
石膏ボードの廃棄方法
石膏ボードを解体した残骸は、産業廃棄物として処理しなければいけません。産業廃棄物は、産業廃棄物処分業という資格を持っていないと処理できないもの。そのため、業者に依頼するときはこの資格があるか確認してみてください。
万が一、産業廃棄物処分業の資格がない業者が廃棄処理すると違法になってしまいます。石膏ボードの廃棄処理は費用がかかります。業者に依頼するときは見積もりに組まれていることもありますが、別料金として取られることも。予算を確認する意味でも、処理費用がどのぐらい必要なのか事前に問い合わせてみましょう。
産業廃棄物に関してはこちらの記事で詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
まとめ
日本で古くから使われている石膏ボード。100年以上の歴史がある中で、石膏ボードも徐々に進化してきました。石膏ボードは現在も建築資材として使われていますが、その理由はメリットの項目で紹介したとおりです。
建物の内装には欠かせない石膏ボード。これからリフォームを考えている方は、解体処理や廃棄処理方法を知って安心できる業者に依頼してみてください。
優良な解体業者に見分け方に関しましては、こちらの記事一覧ページにてまとめております。こちらも合わせてご参照ください。
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