2021/07/15
罹災証明(りさいしょうめい)とは?被災後の内装解体で店舗・事務所が発行すべき証明書について解説します
近年、日本では毎年のように自然災害が起こります。自然災害は建物の損壊を受ける影響も多いため、いざというときに備えておくことが大切です。
万が一被災したときは、罹災証明書(り災証明書)を発行すると、自治体から支援を受けられる可能性があります。この記事では、罹災証明書の概要を詳しく解説します。
いざというときに慌てないためにも、罹災証明書の発行方法も事前に把握しておきましょう。原状回復における行政手続きを詳しく解説している記事をまとめてあります。こちらも合わせてご参照ください。
目次
罹災証明書(り災証明書)とは
罹災証明書とは、自然災害や火災などによって建物が被害を受けたときに公的支援を受けるために必要な書類です。罹災者に対してさまざまな支援制度を設けている日本。しかし、その支援を受けるためには罹災証明書を用意しなければいけません。
罹災証明書の申請期限
災害の規模や自治体によって申請期限は変わってきますが、罹災証明書を申請するには概ね3ヵ月が目安です。
ただし大規模災害の場合は、申請期限が延長されることもあります。罹災証明書の申請期限が過ぎると発行できませんので、事前に自治体のホームページで確認しておいてください。
罹災証明書と被災証明書の違い
罹災証明書と間違いやすいのが被災証明書です。被害を受けた対象物に応じて、発行申請する書類が違うことを知っておくといいでしょう。
罹災証明書は自然災害や火災によって、住宅や建物が被害を受けたときに発行する証明書。反対に被災証明書は、車や倉庫など工作物が被害を受けたときに発行する証明書です。
罹災証明書の対象となる災害や被害
画像出典:Wikipediaより引用
罹災証明書は、どんな災害や被害でも発行されるわけではありません。対象となる災害や被害は国や県が指定したものに限ります。ただし自治体によって異なる可能性もあるため、詳しくは該当の自治体ホームページで確認するのがいちばんです。
一般的に罹災証明書の対象となる災害は
- 暴風
- 豪雨
- 豪雪
- 洪水
- 崖崩れ
- 地震
- 地すべり
などの自然現象や、大規模な火事、爆発です。特に注意してもらいたいのが火災。火災は消防署が罹災証明書の発行場所になります。それ以外の災害は各市区町村なので、間違わないようにしてください。
※愛知県名古屋市の罹災証明の交付については以下のページをご参照ください。
罹災証明書を申請する必要書類
罹災証明書を申請するためには、以下の書類が必要です。
罹災証明交付申請書 | ・自治体ホームページからダウンロード
・自治体によって書式が異なる |
被害状況が確認できる写真 | ・建物の状況を自分で撮影した写真
・被害状況がわかりやすい写真を準備 |
身分証明書 | ・本人確認のため(ただし自治体によって指定されているものもある)
・被災で身分証明書が紛失した場合は事前に連絡を入れる |
認め印 | 申請書で押印が必要になる場合がある |
罹災証明書を発行するための流れ
罹災証明書は自然災害や火災により状況は異なりますが、書類を発行してもらうまで1週間~1ヵ月を目安にしておくといいでしょう。発行までの流れは意外に工程も多いので、速やかに行動に起こしてください。
被害に遭った箇所の写真撮影
必要書類でも説明した、写真は早めに撮影しておきましょう。被災した建物は危険な箇所もあるため、写真を撮る際は十分気をつけてください。
市区町村へ罹災証明書の申請
写真撮影が終わったら、自治体に罹災証明書の申請を行います。申請は建物の所有者が行うことになっている点も頭に入れておきましょう。
保険会社へ連絡
自然災害は火災保険で修理できることがあります。そのため、加入している保険会社への連絡が必要です。保険会社も現地調査や保険金の算定を行います。その際、罹災証明書か罹災届出証明書の提出が求められることがあります。
市区町村の調査員が状況調査
罹災証明書の申請後、市区町村の調査員が建物の損壊を確認するために現地調査を行います。通常は外観を目視することで終わってしまいますが、内部にも被害が及んでいる場合は担当者にその旨伝え、内部まで確認してもらうようにしましょう。
罹災証明書の発行
市区町村の現地調査が終了すると、自治体は被害の程度に合わせた罹災証明書を発行します。先ほども説明しましたが、罹災証明書の発行は1週間~1ヵ月かかります。ただし、災害規模が大きい場合は3ヵ月ほどかかることもあるので早めの申請がいいでしょう。
内装解体の後片付け
現地調査まで終われば、内装解体の後片付けに入ります。解体で出たごみは粗大ごみとして処理することがほとんどです。通常粗大ごみは手数料が発生しますが、罹災証明書があると手数料が免除される自治体もあります。
産業廃棄物に関してはこちらの記事で詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
まとめ
自然災害の多い日本では、罹災証明書がいつ必要になるかわかりません。自然災害は突然やってきます。そのときに備えて申請にはどんな書類が必要なのか、発行するまでの手順を事前に確認しておくことが大切です。
罹災証明書は国や県が指定した災害が対象ですが自治体によって異なるため、自治体ホームページをチェックしておきましょう。
また、解体工事の中でも内装解体に関しましてはこちらのカテゴリでまとめています。それぞれの工事の理解を深めるために、こちらもあわせてご参照ください。
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