2020/12/28
【5分でわかる】経年劣化、通常損耗、特別損耗の違い|賃貸物件の退去時のややこしい用語をわかりやすく解説します。
賃貸借契約が終了した際、借主(入居者)はその物件に対して「原状回復義務」を負います。その際、原状回復費用をどこまで借主が負担するのかを決めるポイントが「通常損耗(つうじょうそんもう)」と「特別損耗(とくべつそんもう)」です。
通常損耗と特別損について、きちんと理解をして賃貸契約を結ばなければ、退去時のトラブルになりかねません。本記事では通常損耗と特別損耗、さらに経年劣化の違いについて解説していきます。
また、原状回復に関する節約術はこちらのカテゴリページにまとめております。ぜひこちらも合わせてご参照ください
目次
通常損耗とは
通常損耗とは、国交省の定めるガイドラインにて「 賃借人の通常の使用により生ずる損耗等」と定義されています。つまり、普段の生活や、住むために必要な家具の設置による損耗(汚れや傷など)は、通常損耗とされます。
さらに、ガイドラインの中には、通常損耗と経年変化によって必要となる修繕費は、賃料に含まれるという記載があります。つまり、通常損耗の修繕費は、基本的に貸主(大家さんや不動産管理会社)の負担となります。
通常損耗と後述する特別損耗については、国土交通省の定める「原状回復とをめぐるトラブルとガイドライン」に記載されています。より詳細な說明は、実際にガイドラインを確認してみましょう。ただしかなりボリュームがあるので、時間をかけてじっくりと読み解く必要があります。
通常損耗の例
家具の設置跡
洋服ダンスや冷蔵庫などをおいてしまうと、畳やフローリングに凹みができてしまうことがあります。生活に必要な家具を設置することは、基本的に通常の使い方と判断されるため、通常損耗となります。また電化製品などで壁にできる電気焼けの跡も通常損耗の扱いとなります。
壁に画鋲で刺した跡
賃貸住宅で、画鋲の刺し跡を請求されたらどうしようと思っている方も安心してください。ポスターやカレンダーを貼るために画鋲をさすのは、基本的に通常使用の範囲内とされ、通常損耗となります。ガイドラインにも通常の生活の範疇という記載があります。
特別損耗とは
特別損耗とは、前述のガイドラインにて「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等 」と定義されています。つまり、入居者の故意又はずさんな使用によって発生した汚れや傷、へこみなどの事を指します。
特別損耗の修繕費用は、通常損耗と違い賃料には含まれていません。また、特別損耗が発生する原因が借主にあると判断される為、特別損耗の修繕費は、借主負担になることが多いです。
※個々の事情によって見解が異なりますので、貸主、借主双方の話し合いでトラブルに発展しそうな場合は、法律の専門家に相談しましょう。 |
特別損耗の例
タバコに関する損耗(臭いやヤニ汚れ)
室内で喫煙すると、天井や壁紙に、臭いや黄ばみが染み付いてしまうことがあります。タバコによる損耗は、基本的に通常損耗とみなされません。そのため原状回復義務(費用の負担)は借主側にあると判断されることが多いです。
意図的に掃除を怠ったり、破損を放置した際の水回りの水垢やカビ
一般的な頻度での掃除を怠ったり、結露を放置したことによる重度のカビ等は借主の負担とされることがあります。特に意図的に水漏れや配管の破損を放置した結果が特別損耗になる事例が多いです。
石膏ボードの穴
前述の通り、壁に画鋲などを刺して、ポスターを貼ることは通常の範疇と判断される場合が多いです。しかし、程度によって変わるため注意が必要です。ネジや釘などで、壁紙の下の石膏ボードまで穴が空いている場合は、特別損耗と判断される場合があります。
通常損耗と経年劣化(けいねんれっか)の違い
通常損耗と似た言葉で「経年劣化」がありますが、この二つは似て非なるものです。経年劣化は、年数が経つことで劣化したもののことを指します。具体的には畳や壁の日焼けや、減価償却期間を過ぎたエアコンの故障、などが挙げられます。
つまり、経年劣化は時間の流れによって自然に発生する損耗、通常損耗は入居者が普通に生活をしていく中で避けられない損耗、と覚えておきましょう。経年劣化によって修繕費が発生した場合、基本的に借主に負担義務はありません。
経年劣化に関しましては、こちらの記事で詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
原状回復の範囲
最後に、これらを踏まえた上で、原状回復の基本的な範囲を解説します。原状回復の範囲は、住居目的で借りている物件と事業目的で借りている物件で変わります。
住居目的で借りている物件の原状回復
基本的に、住居目的で借りている物件の原状回復は、通常損耗や経年劣化は貸主負担、特別損耗は借主負担とされています。
借主は、一般常識的に物件を使用していた場合、退去時に追加で修繕費を払うことはあまりありません。多くの場合、敷金(保証金)から特別損耗分の原状回復費用を差し引いて返還する形で借主が負担します。
オフィスや店舗などの原状回復
オフィスや店舗などの原状回復は、ほとんど場合、経年劣化や通常損耗なども含めて借主が全額負担します。
事業目的の場合、事業ごとに物件の使用目的が異なり、経年変化や通常損耗の定義や基準が定められないため、一律して借主負担となる場合が多いです。
こちらも敷金(保証金)から、原状回復費用を差し引いて返還する形で借主が負担します。ただし、事業目的の物件の原状回復の場合、スケルトン解体などで多額の費用がかかることも少なくありません。その場合、追加請求となることも少なくありません。
まとめ
住居目的の物件の原状回復において、基本的に通常損耗と経年劣化は貸主の負担、特別損耗は貸主負担となります。
原状回復に関するトラブルは非常に多く、国がガイドラインを策定するに至りました。それほどトラブルが起こりやすいものなので、原状回復義務と範囲について、賃貸契約書の内容をしっかりと確認、理解した上で契約を締結しましょう。
万が一トラブルが起きてしまった際の相談先はこちらの記事でまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
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