2026/01/21
GL工法とは?LGS工法との違いは?内装解体工事の観点から解説します

「オフィスの退去が決まった」「中古マンションをフルリノベーションしたい」
そんな場面で、解体業者から「この壁はLGSではなく、GL工法ですね」と言われ、少し戸惑った経験はありませんか?
「GL工法」と「LGS工法」は、内装工事で非常によく使われる代表的な工法です。そしてこの違いは、内装解体工事における費用や工期に直結する、見逃せない重要なポイントでもあります。
この点を十分に理解しないまま、見積金額の安さだけで業者を選んでしまうと、工事途中で「ボンドの除去費用」などが追加され、想定外の請求やトラブルにつながるケースも少なくありません。
今回はGL工法の基礎知識、LGS工法との違い、そして解体時に注意すべきポイントを、できるだけ分かりやすく解説していきます。
目次
GL工法とは?基本の仕組み

GL工法とは「コンクリートの壁に、直接ボードをペタペタと貼り付ける工法」のことです。
正式名称を「Gypsum Lining(ジプサム・ライニング)工法」と呼びます。「ジプサム」は「石膏」、「ライニング」は「裏打ち」を意味し、その名の通り石膏ボードを使って壁を作ります。
GL工法の最大の特徴「ボンド団子」

通常、壁を作るには木材や金属の「骨組み(下地)」が必要ですが、GL工法ではそれらを一切使いません。
代わりに、「GLボンド」という石膏系の専用接着剤を、にぎり拳くらいの大きさの団子状にして、躯体となるコンクリート壁に直接、等間隔に盛り付けます。
その上から石膏ボードをグッと押し当てて固定することで、壁が完成します。
GL工法が採用される理由
この工法が採用されるのには、主に2つの理由があります。
- 部屋を広く使える: 骨組みを作らない分、壁の厚みを極限まで薄く(約20mm〜)抑えられます。狭いワンルームや、少しでも有効面積を広げたいオフィスビルで重宝されます。
- コストが安い・施工が早い: 下地を組む手間と材料費が省けるため、新築時の建築コストを抑えることができます。
しかし、この「施工しやすさ」の反面、解体時には「剥がしにくさ」という隠れた問題があります。
LGS工法とは?GL工法との決定的な違い

解体工事を語る上で欠かせないのが、比較対象となる「LGS工法」です。
LGSとは「Light Gauge Steel(軽量鉄骨)」の略で、軽量鉄骨(Light Gauge Steel)で下地の骨組みを組み、その上に石膏ボードなどを張って壁や天井をつくる内装工法です。
現在の内装工事では最も一般的な工法でオフィスや店舗、マンションの間仕切りによく使われ、構造が分かりやすく、解体や間取り変更がしやすいのが特徴です。
LGS工法についての詳細は以下のコラムをご参照ください。
【比較表】GL工法 vs LGS工法
この2つの工法の違いを、解体現場の視点で比較表にまとめました。
| 比較項目 | GL工法(直貼り) | LGS工法(軽天) |
| 壁の構造 | ボンド(団子)で直貼り | 金属の骨組みにビス留め |
| 壁の厚み | 薄い(約2cm〜) | 厚い(約6cm〜10cm) |
| 解体の難易度 | 高い(手間がかかる) | 低い(バラすだけで終わる) |
| 解体後の状態 | コンクリートにボンドが残る | 躯体が綺麗な状態で残る |
| 主な使用場所 | 外壁側のコンクリート壁 | 部屋の中の間仕切り壁 |
解体現場での作業の違い
LGS工法の場合、壁は「組み立て式」の構造になっています。
石膏ボードはビスで軽量鉄骨(スタッド)に固定されているため、電動ドライバーでビスを外し、スタッドを一本ずつ撤去していけば、壁全体を順番に分解していくことができます。
解体後は、余計な付着物のないきれいなコンクリート面が現れるため、作業スピードも早く、後工程への影響もほとんどありません。

一方でGL工法の場合、石膏ボードはビスではなく、専用の接着剤(GLボンド)でコンクリートに直接貼り付けられています。
そのため、ボードを剥がす際はどうしても「割る・砕く」といった作業になり、ボードを撤去した後も、コンクリート面にはカチカチに固まったボンドの塊が無数に残ります。
このボンドは非常に硬く、ヘラやハンマー、電動工具を使って一つひとつ削り取る必要があります。

壁一面あたり数百個単位で残ることも珍しくなく、この地道で時間のかかるボンド除去作業こそが、GL工法の解体費用と工期を大きく左右する最大の要因となります。
見た目は同じ「壁」でも、工法の違いによって、解体現場での手間とコストには大きな差が生まれるというわけです。
内装解体工事の観点から見る「GL工法」の注意点

ここからは、なぜ解体業者が「GL工法」であることを事前に気にするのかを解説します。
1. 「ケレン作業(ボンド剥がし)」に多大な手間がかかる
ボードを剥がした後、コンクリート面に残ったGLボンドを一つひとつ削り落とす作業を「ケレン作業」と呼びます。 このボンドは非常に硬く、手作業でハンマーを使って叩き落としたり、サンダーという機械を使って削り取ったりしなければなりません。
LGS工法の解体に比べて、作業員の手間(人件費)が1.5倍〜2倍近くかかることも珍しくありません。もし見積もり段階で「ただのボード剥がし」として計算されていた場合、現場でこのボンド跡が見つかった瞬間に「追加費用が発生します」という話になってしまうのです。
2. 産業廃棄物の処分コストが高くなる
解体工事で出たゴミ(産業廃棄物)は、種類ごとに分別して捨てるのがルールです。 LGS工法なら「石膏ボード」と「金属(鉄くず)」に綺麗に分かれるため、リサイクルもしやすく処分費も安定しています。
しかしGL工法の場合、石膏ボードの裏側に強力な接着剤(ボンド)がこびりついています。 これを完全に分離するのは難しく、多くの場合「混合廃棄物」として扱われます。
混合廃棄物は分別の手間がかかるため、処分場での受け入れ単価が高く設定されており、結果として施主の負担増に繋がります。
3. スケルトン仕上げ時のクオリティ問題
最近は天井や壁を作らず、コンクリートを剥き出しにする「スケルトンデザイン」が人気です。 GL工法の壁をスケルトンにする場合、ボンドを剥がした跡をいかに綺麗に処理するかが重要になります。
無理に剥がそうとしてコンクリート自体を傷つけてしまったり、ボンドの跡が斑点のように残ってしまったりすると、その後の塗装仕上げが綺麗にのりません。
解体業者が「次に入る業者のこと」まで考えて丁寧にケレンを行えるかどうかが、全体の仕上がりを左右します。
解体見積もり前にチェック!GL工法を見分ける方法

「自分の物件がGL工法かどうかわからない」そんな方のために、解体業者が実際に行っている判断方法をご紹介します。
①図面(設計図・竣工図)を確認する
まず最初に確認したいのが、建物の図面の有無です。設計図や竣工図が残っている場合、壁の断面図や仕上げ表記から、GL工法かLGS工法かを判断できます。
- 「GLボード貼り」「直貼り」などの記載があればGL工法
- 「LGS下地」「軽量鉄骨下地」とあればLGS工法
ただし、実際の施工が図面と異なっていることもあるため、図面確認だけで判断せず、必ず現地確認と併せて行うのが重要です。
②壁を叩いて「音の変化」を確認する
次に行うのが、壁を拳で軽く叩く方法です。
LGS工法
どこを叩いても「ポコポコ」と均一に太鼓のような音がします。中が空洞になっているため、音にムラが出にくいのが特徴です。
GL工法
叩く場所によって音が変わります。「コンコン」と響く場所と、「ペチペチ」と詰まったような音が交互に現れます。この詰まった音の部分が、裏側にボンドの団子がある位置です。
③壁の「厚み」を確認する
窓枠やドア枠の奥行きを確認するのも、有効な見分け方です。壁の表面からコンクリート面までの距離が極端に短い(2〜3cm程度)場合は、GL工法の可能性が非常に高いと考えられます。
LGS工法の場合は、軽量鉄骨の骨組みが入るため、最低でも6cm以上の壁厚が必要になります。
④コンセントボックスの中を覗く
安全に確認できる場合に限りますが、コンセントカバーを外して中を覗く方法もあります。
- ボックスのすぐ裏にコンクリートが見える
- その間に、グレーや白っぽいボンドの塊が確認できる
この状態であれば、GL工法で間違いありません。
事前調査の重要性について

これまで解説してきた通り、工法の判断は、写真や間取り図だけでは正確に行えません。特にGL工法とLGS工法は、完成後の見た目がほぼ同じため、現地調査を行わずに出された見積もりはリスクが高いと言えます。
現地調査を行うことで、
- 工法の正確な判断
- ボンド除去の有無と作業量の把握
- 粉塵・騒音対策の検討
- 工期の現実的な見通し
といった点を事前に整理することができます。
解体工事では「工事が始まってから分かる」では遅く、工事前にどこまで把握できているかが、最終的な費用と満足度を大きく左右します。
内装解体で後悔しないためにも、必ず現地を確認し、工法まで踏み込んだ説明をしてくれる業者を選ぶことが重要です。
ウラシコは解体工事前の事前調査を徹底しております。解体工事のご予定がございましたらぜひお気軽にウラシコにご相談ください。
まとめ

GL工法は、新築時や入居時には「省スペースで低コスト」という大きなメリットをもたらしてくれます。しかし、解体という出口の段階では、ボンドの除去や産廃処分といった特有の課題が突きつけられます。
- GL工法はボンドで直張りする工法で、解体に手間がかかる。
- LGS工法は骨組みを組む工法で、解体はスムーズ。現在最も一般的な工法。
- 事前に工法を見分け、適正な見積もりを取る業者選びが大切
これから内装解体や原状回復を控えている方は、ぜひ一度ご自身の壁を叩いてチェックしてみてください。業者選びの際は、必ず「壁の構造を把握した上で、ケレン作業や処分費を含めた適正な見積もり」を出してくれる業者を選びましょう。
株式会社ウラシコは、名古屋を拠点に店舗やマンションの原状回復・内装解体、デザイン設計施工を行っている業者であり、GL工法で施工された壁の撤去・解体にも対応しています。 ぜひお気軽にご相談ください!
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