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アスベスト(石綿)が使われた建物の歴史|石綿建材使用関連法の改正の変遷を解説します。

アスベストが使われた建物の歴史

現在、日本ではアスベスト含有品の製造は禁止されています。またこの動きは日本だけでなく、世界中でも広がっています。アスベストは人体に多大な影響を及ぼすとされていますが、なぜアスベストは使われるようになったのでしょう。その歴史を紐解いていくと、近年まで発展を遂げた建物の歴史にも結び付いていきます。

アスベストとはどのような物質なのか、また歴史から見えるアスベスト規制の変遷を紹介します。

株式会社ウラシコでは「建築物石綿含有建材調査者」が在籍しております。アスベスト調査から除去工事、除去後の特別産業廃棄物の処分までワンストップで対応可能です。ぜひ私たちにおまかせください。

令和4年のアスベスト改正実施はYouTube動画でも解説しています!

アスベスト関連法令の改正実施の解説はウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。解体業者の目線で現場がどのように変わるのかわかりやすく説明していますので、ぜひこちらもご参照ください!

アスベストとは

アスベストとは

アスベストは、天然の鉱物繊維です。別名「石綿(せきめん)」とも呼ばれています。一口にアスベストと言っても種類は豊富で、主に使われているアスベストは以下の6種類です。

  • クリソタイル(白石綿)
  • クロシドライト(青石綿)
  • アモサイト(茶石綿)
  • アンソフィライト石綿
  • トレモライト石綿
  • アクチノライト石綿

日本では上から3つまでが代表的なアスベストとして使われていました。

アスベストは、熱や摩擦、酸やアルカリに強いという特性を持っており、丈夫で変化しにくいというのが特徴。そのため、建物の建材にとても役立っていました。

アスベストは建物のどの部分に使われている?

アスベストは建物のどの部分に使われている

アスベストは、建物のあらゆる部分に使われています。

実際には

  • 壁材
  • 屋根材
  • 内外装材

と、建物の骨格をつかさどる建材です。

特に内装材としては、ビルには欠かせないものでした。

具体的には、以下の場所に使われています。使用用途と合わせて見ていきましょう。

鉄骨材 耐火被覆として使用
ボイラー室や空調機械室など 吸音用や断熱材として使用
地下駐車場 吸音用や断熱材として使用

アスベストの歴史

アスベストの歴史

アスベストの歴史は古く、なんと紀元前から使われていたという資料が残っているほどです。

実際に盛んに使われるようになったのは、産業革命が起こった後の19世紀。日本でも同じ頃からアスベストが使われるようになりました。

今日までアスベストが広く使われるようになった歴史を詳しく紹介します。

紀元前から使われていたアスベスト

アスベストは天然の鉱物繊維ということもあり、歴史は紀元前までさかのぼります。

実は古代ローマ時代にもアスベストが使われていたようで、イタリアで発見されたランプの芯材には、アスベストの形跡が残っています。

このランプは紀元前2000年より前のものということで、当時からアスベストが地球上に存在していた証にもなっています。

19世紀に各地でアスベストを発見

それから幾度の年月を超え、18世紀後半にはイギリスで産業革命が起こりました。この革命をきっかけに、ヨーロッパを中心に技術が革新していきます。

19世紀にはカナダとイタリアでクリソタイル(白石綿)が発見されました。また、南アフリカでは20世紀にアモサイト(茶石綿)が見つかります。

このおかげでアスベストの利用が高まり、生産量も増加。第二次世界大戦前は、アスベストの生産が盛んにおこなわれていました。

当時は建物や工業用への利用はなく、軍事目的でアスベストが使用されていたようです。

1887年頃から日本へアスベストの輸入がスタート

日本でアスベストが積極的に使われるようになったのは明治に入ってからです。明治時代は西洋の文化や技術が入るようになり、この時代に建てられた建物も西洋風のものが目立ちます。

日本では熊本県旧松橋町にアスベスト鉱山がありましたが、ここで採取されるアスベストはアンソフィライト石綿。日本で主に使われるアスベストは輸入に頼るしか方法がありませんでした。

アスベストの輸入は順調に右肩上がりでしたが、第二次世界大戦中は輸入がいったんストップされています。

日本のピークは1970~1990年代

戦後、日本は高度成長期を迎えます。それと同時にアスベストの輸入量も急激に増加。1970~1990年代には年間30万トン以上ものアスベストが輸入されていました。

しかし、その後はアスベストの輸入も減少。1995年には、日本で主力として使われていたクロシドライト(青石綿)とアモサイト(茶石綿)は使用が禁止になります。

この2種類は有害性の高いアスベストとして認定されました。

2006年アスベスト含有品の製造が全面禁止

アスベスト自体の使用が禁止されたのは2006年です。それまで大きな話題になっていなかったアスベストですが、2005年、衝撃的なニュースが流れました。

アスベストを取り扱っている工場で働いていた従業員や近隣住民が、石綿関連疾患を患っていたのです。石綿関連疾患にかかった患者のうち79人は死亡。

このニュースを機にアスベストの危険性が浸透し、全面禁止にまで至りました。

アスベスト規制の変遷

アスベスト規制の変遷

アスベストは、世界中でも大きな社会問題とされています。日本が本格的にアスベスト規制に乗り出したのは1975年。

しかしヨーロッパではさらに前から規制強化に乗り出しています。日本のアスベストがどのように規制されていったのか、その変遷を紹介します。

1971年『特定化学物質等障害予防規則』の制定

特定化学物質等障害予防規則(特化則)の制定では、化学物質による障害を予防するため、さまざまな規則が決められました。

アスベストに限っていうと、以下のようなことが盛り込まれています。

  • 屋内作業場では局所排気装置を設置する
  • アスベストの製造&作業現場では呼吸用保護具を添え付ける
  • アスベストの製造&作業現場は関係者以外立ち入り禁止
  • 特定化学物質等作業主任者を選任する
  • 半年に1回、空気中の濃度測定を実施する

1972年『労働安全衛生法』の制定

1972年には労働安全衛生法の制定により、局所排気装置の定期的な自主検査を定めました。

この法律はアスベストばく露への防止対策として強化したもの。健康管理手帳の制度規定を設け、医療費負担の軽減も目的にしています。

1975年『特化則』の改正

1971年に制定された特化則の改正がされました。アスベスト含有量が5%を超える場合、吹き付け作業が原則禁止。この改正により、吹き付け作業は事実上難しくなりました。

他には、局所排気装置の性能要件を改正し、作業環境測定記録の保存期間も延長。

アスベストへの規制が本格的になったのはこの年からです。ただし、この時点では使用禁止には至っていません。

1995年『安全衛生施行令、安全衛生施行規則、特化則』の改正

アスベスト規制が本格的に厳しくなったのは1995年からです。

この年の法改正により、クロシドライト(青石綿)とアモサイト(茶石綿)の使用が禁止となりました。輸入や製造も禁止です。さらに、吹き付け作業のアスベスト含有量も1%までに拡大しました。

これでアスベストの使用も難しくなった気がしますが、日本でもっとも使われているクリソタイル(白石綿)については規制が入っていません。

2004年『安全衛生施行令』の改正

2004年の法改正により、アスベストを含んだ10品目の製造が禁止となります。

ここで禁止になった品目は以下の通りです。

  • 石綿セメント円筒
  • 押出成形セメント板
  • 住宅屋根用化粧スレート
  • 繊維強化セメント板
  • 窯業系サイディング
  • クラッチフェーシング
  • クラッチライニング
  • ブレーキパッド
  • ブレーキライニング及び接着剤

2006年『安全衛生施行令』の改正

2006年の法改正で、アスベストの製造や輸入、譲渡、使用の禁止が施行。これにより、日本におけるアスベストの使用は全面的に禁止されました。

まとめ

アスベストは熱や摩擦などに強く丈夫

アスベストは熱や摩擦などに強く丈夫ということもあり、建物や工業用の資材としてとても重宝されてきました。

しかし、人体に及ぼす影響が徐々に出始め、現在、日本では使用禁止となっています。とはいえ、昭和時代に建てられた建物には、アスベストの使用が残っているところもあるため、一概に安心とは言えません。

アスベストに関する問題は現在でも続いています。世界中が問題視しているアスベスト規制に、これからも注目していきましょう。

また、令和4年4月1日のアスベスト関連法令の改正実施内容に関しましては、こちらのページで詳しく解説しています。解体業者の現場目線で変更点を解説していますので、ぜひご参照ください。

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