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【5分でわかる】解体費用の確定申告|勘定科目と仕訳方法を解体業者がわかりやすく解説します

解体費用の確定申告

人によって建物を解体する目的は様々ですが、いざ確定申告をする時、どの勘定科目を用いてどんな仕訳をしたらいいか困ることはありませんか?仕訳の仕方にはおのおのの事情により異なるパターンが存在し、より節税につなげられる方法も異なってきます。

今回の記事では、確定申告における解体費用の扱い方、効果的な節税テクニック、経費として落とせるケースとそうでないケース、について解説いたします!

解体の「目的」を把握しよう!

解体の「目的」を把握しよう

仕訳のポイントは解体する際の「目的」を把握することです。具体的には、「解体後に新しい建物を建てるのか」という視点が重要です。

目的が取り壊しのみの場合

建物を取り壊すことだけが目的となる場合、解体費用を「固定資産除却損」という科目で表して「費用」として計上することになります。この時、解体費用だけでなく、取り壊しの対象となる建物の取得価格も同時に減らすという処理が必要です。具体的には解体する金額が200万円かかったらその分を減らして、同時に建物の価格500万円も減らします。

固定資産除却損 700万円 現金 200万円
建物 500万円

新しく建物を建てる場合

解体後に新しく建物を建てる場合には、解体にかかった金額を新規で建てる建物の取得費用に組み込んで、「資産」として借方に記入します。

この時、使う科目は「前払費用(資産)」となります。例えば、解体にかかった金額が300万円で、新しい建物の新築費用が1500万円かかった場合には次のような仕訳で表します。

(建物取り壊し時点の処理)

前払費用 300万円 現金 300万円

(建物を新しく新築した時の処理)

建物 1800万円 現金 1500万円
前払費用 300万円

節税につなげるための考え方

解体費用の節税につなげる扱い方

上述したように、解体費用の扱い方には以下の2パターンがあります。

1.「費用」として扱う
2.「資産」として扱う

具体的には、確定申告を行う年に出た利益を鑑みこれら2通りの方法を使い分け、節税効果が高い方法を選ぶことになります。以下、それぞれのケースについて解説します。

「費用」扱いしたケース

「費用」扱いした場合、その年に上がった利益から差し引くので、所得額が下がり、払う税金額を抑えることができます。その年に上がった利益額が高いケースでは、一括して費用計上した方が節税効果は高いと言えます。

「資産」扱いしたケース

「資産」扱いした場合、減価償却によって毎年一定金額を費用として落としていくことになります。減価償却とは、資産の取得価格をその資産ごとに決められた耐用年数で割った金額を毎年その年の利益から差し引いていく処理方法です。

例えば取得価格2200万円の建物の耐用年数が22年だった場合、毎年100万円ずつ、その年の利益から控除することができます。

古い建物の取り壊し後、新築の建物を建てて長期間の利益が見込まれる場合、減価償却費として毎年費用処理した方が、長期的な節税効果が見込めます。

繰り越し欠損金にも注意!

繰り越し欠損金にも注意

「青色申告」を行っている方については、赤字の繰越しが税務署によって認められています。個人で行う申告では翌年以降3年間赤字を繰り越せるとの規定があるので、将来発生する利益と減価償却の耐用年数と繰越欠損金を考慮したうえで節税対策を考えていきましょう。

費用処理できないケースとは?

費用処理できないケースとは

これまで勘定科目や仕訳の仕方をパターン別に解説しましたが、建物の業態によっても処理方法にはいろいろあります。以下、例を挙げてご説明します。自分がどのパターンに当てはまるかチェックしてみてください!

生活するための建物(自宅など)の取り壊し

目的が土地の譲渡である場合

土地を譲渡するために生活用の建物を解体しようとする場合、解体費用は譲渡費用として控除することができます。

新たに商売用の建物を建てるために生活用の建物を解体する場合

新たに商売用の建物を建てるという目的があっても、この場合は経費としては認められません。使う勘定科目は「家事費」となります。

古い生活用の建物を解体し、新しく生活用の建物を新築する場合

この場合、解体にかかったお金を費用として算入することはできず、「家事費」として処理することになります。

商売用(賃貸アパートなど)の取り壊し

取り壊しの目的が譲渡の場合

商売用の建物を取り壊す場合では、譲渡するための解体費用は必要経費として見なされ、譲渡費用として控除できます。

商売用の建物を取り壊して新たに商売用の建物を建てる場合

建ててから年数を経た商売用の建物を解体して新しい商売用の建物を建てる目的では、解体にかかったお金は費用として落とせます。

商売用の建物を取り壊し新たに生活用の建物を建てる場合

商売用の建物を解体し新たに自宅などの生活用の建物を建てる場合は、どんな目的で解体するのかという点がポイントとなります。

建物の老朽化や災害による破損など、外部の要因によって仕方なく取り壊す場合は、経費に算入することが可能ですが、「新しく家を建てたい」といった自分の都合で取り壊す場合は、経費とは認められず「家事費」として扱います。

まとめ

解体の目的や建物の業態

確定申告で必要となる処理の仕方は、解体の目的や建物の業態によって様々であることがわかりました。また選ぶ勘定科目や仕訳の仕方によって払う税金の額も違ってくるため、解体費用の仕訳は様々な条件を考慮して慎重に進める必要があります。

もしどんな仕訳をしたらいいかわからない場合は、最寄りの税務署や税理士に相談し、最適な節税計画を立てていきましょう!

借り方や貸し方など、簿記の仕訳についての基礎知識はこちらの記事でわかりやすく解説しています。こちらもわせてご参照ください。

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