2021/07/15
オフィス・テナントの内装解体工事の種類と流れを徹底解説!費用の目安もご紹介します
今回は内装解体工事のあれこれについてみていきましょう。手順や流れはもちろん、気になる相場やお金のことまでしっかりとお伝えしていきます。
実際に退去の際に何が必要になってくるのか、費用はどれくらいかかるのかなどの疑問を解決する役に立てばと思います。原状回復の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
マンションがオフィスに変わるまでの様子をYouTube動画でも解説しています!
内装解体(スケルトン工事)のポイントを現場からお伝えします。一見何もないスケルトン状態でも、内装解体の施工ポイントやきめ細やかな技術の工夫があります。実際の現地調査の様子を動画でもお確かめください。
内装解体とは?
内装解体とは、建物本体や構造物はそのままに、内部を空っぽの状態や次のテナントが使えるようにすることです。対象となる物件はさまざまで、レストランや居酒屋などの飲食店やテナントビル、オフィス、コンビニ、スーパー、倉庫など多岐にわたります。
賃貸借物件からの撤退や移転の際には、内装をきれいにしてから明け渡す決まりとなっていることが多いです。この決まりを原状回復義務と言います。そんな内装解体工事には主に2つの種類があります。スケルトン工事と原状回復工事の2種類です。
スケルトン工事
スケルトン工事は、建物の構造体以外を全て取り除き、内部に何もない状態にする工事です。天井や床、間仕切り、柱などの人工的に作られたものはもちろんのこと、電気配線やエアコンなどの関連設備も全て撤去し、室内の空間だけが残るようになります。
鉄筋コンクリート造の建物の場合には、コンクリート打ちっぱなしの状態になります。このコンクリート打ちっぱなし状態を「スケルトン物件」と呼び、スケルトン状態にして借主に返却することを「スケルトン返し」「スケルトン渡し」「スケルトン戻し」などと呼びます。
スケルトン物件に関しては、その他にも様々なルールや決まりがございます。こちらのページではスケルトン工事に関する内容をより詳しくご紹介しております。こちらも合わせてご参照下さい。
原状回復工事
原状回復工事は、賃貸借契約で借りた物件を、契約書に記載の状態(多くの場合には、入居した時の状態)に戻す工事です。退去の際には、ほぼ100%と言っていいほど、この工事をしなければならず、居抜き物件を借りた場合は、入居後に増築した造作などの撤去工事を、借りた時の状態がスケルトンであれば、スケルトン工事をすることになります。
また、賃貸契約内容によっては、特約などで、契約時に居抜きであっても、返却時にスケルトン工事を求められることもございます。
似たような言葉に、「原状復帰」という言葉があります。厳密には「原状回復」が法律用語で「原状復帰」が建設用語となりますが、意味する内容はほぼ同じです。
ごく稀に、原状回復をしなくても良い場合もありますが、これは居抜き物件の返却時などで造作譲渡という制度を用いて行います。居抜き物件に関する記事はこちらをご参考ください。
内装解体工事までの流れ
内装解体工事では、通常の解体工事と同じような流れで進んでいきますが、一部特有の手順もありますので、しっかりと確認してください。それでは、具体的にみていきましょう。
①借主と貸主との打ち合わせ
まずは借主と貸主が打ち合わせを行います。内容としては、解約通知や明け渡し期日の決定、原状回復工事の内容の確定、敷金を払っている場合にはその返還期日についてなど、事前に明確にすべき点がいくつかあります。
原状回復工事については、基本的には賃貸借契約契約書に記載があればその内容で工事を行わなければなりませんが、記載がない場合や「両者の話し合いで決定する」ような文言があった場合には、事前に打ち合わせする必要があります。
貸主が次の入居者を既に決めている場合、内装の一部を残しての工事でも良い場合も考えられます。また、造作譲渡を行う場合も一度原状回復工事を行わなければならない場合も発生する可能性がありますので、しっかりと確認する必要があります。
最終的な合意が、契約書の内容ではない場合もありますが、貸主が納得し、その内容で合意しているのであれば、その内容が優先されることになりますので、しっかりと話し合い工事内容を確定しましょう。
②内装解体業者の選定
明け渡し期日、原状回復工事の内容が決まれば次は、内装解体工事をやってもらう業者を決めます。工事の種類や内容、建物の場所、時間帯などによって工期や費用が変わってきます。貸主との打ち合わせで決まった内容を実現するために最適な業者を選びたいものです。
ここで注意が必要なのが、見積もりです。実際に見積もりをしてもらうときには、口頭で説明するだけでは不十分であることもあります。実際に現場で目で見て解体するところ、残すところを一つ一つ確認することが大切です。
また、見積もりの際には周囲の状況なども確認されます。周囲に大型車を停めるスペースがあるかどうか、近隣へのあいさつが必要になるかどうかなど業者側も気にするところです。口頭だけで出された見積もりは、いざやったときに追加の費用を請求されることもありますので注意してください。
③近隣へのあいさつ
工事の日程が決まったら、近隣住民やテナント、同じ建物内に入っているオフィスなど工事の影響が出るかもしれないところには、事前にあいさつ(工事の連絡)を行っておくのがベターです。騒音や振動、人の往来などさまざまな形で迷惑をかけてしまうことも考えられます。
通常営業しているところに、事前の連絡なくそういった問題が生じてしまうと不快に感じる方も少なくありません。最悪の場合クレームとなり、トラブルに発展してしまう恐れもあります。そういったトラブルを未然に防ぐためにも、周囲にはきちんと気を配り良好な関係を築きましょう。
④残地物(不用品)の撤去
内装解体工事が始まる前までに、必要なものは搬出し、リース品は返却、不用品はリサイクル業者に買い取ってもらったり、粗大ゴミとして処分したりする必要があります。工事開始日までにこれらを撤去していないと、工事期間に影響が出たり、追加費用が発生したりする恐れがあります。
初めから内装解体工事に不用品の撤去まで費用に含まれていれば話は別ですが、そうでない場合は追加費用発生の原因になりますので注意が必要です。まだ使えるものはリサイクル業者に買い取ってもらったり、フリマアプリに出品するなどしたら、工事費などの足しにできるかもしれません。
ここで注意で必要なのが、家電製品などです。各自治体の規定や 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)により、処理の仕方が決められているものは、その方法に則って処分しなければなりませんので、事前にきちんと調べた上で処分してください。
⑤ライフラインの停止
不用品の撤去と同時に、各ライフライン(電気やガス、水道など)の利用停止手続きも進めなければなりません。水道に関しては、工事の終わりに清掃などで使用する場合があるため、解体業者に事前に止めていいか確認するのが良いですが、そのほかについては、止めてしまって大丈夫なことが多いです。
この辺りのことについては、見積もりの際には確認しておくのが無難かもしれません。ガスの停止には立ち合いが必要な場合もありますので、事前に確認しておいた方がいいでしょう。ここで、気をつけなければならないのが、入居している物件がビルなどに入っている場合です。
ビルなどの建物の場合、水道やインターネットなどはその建物全体で契約している場合があります。その場合には、貸主や管理会社などと話し合う必要があります。個人で支払っているか、家賃と一緒に払ってあるかによってわかると思いますので、自分はどちらのパターンなのか把握しておく必要があります。
実際の工事の流れ
ここからは、実際の工事の流れを見ていきます。実際に作業を行うのは解体業者ですが、その工事の工程や流れを知っておくことで、見積もりの際にきちんとした業者かどうか判断する材料になります。
こちらの要望をしっかりと実現してくれるかどうか見極めるためにも重要な要素となってくることもありますので、大まかな流れを把握しておきましょう。
工事前準備(足場や養生の設置)
養生という言葉に聞き覚えがある方もいらっしゃるかと思いますが、通路やエレベーターなどを傷つけないように保護するものです。引越しの時にも玄関あたりから廊下、階段、エレベーターにまで養生を施して作業する光景を見たことのある人も少なくないかと思います。
解体工事の際にも解体で出た廃材や不要物を外に搬出する際に壁などを傷つけないように養生を設置します。また、養生は破損防止の役割だけでなく、騒音や振動の軽減、ほこりや粉じんの飛散防止にも効果があります。
この養生をしっかりしておかないと、工事の際傷を受けて後からトラブルになることも考えられますので、入念に設置することが必要になります。足場に関しては、設置しなくていいことも考えられますので、解体業者の判断に任せていいでしょう。
内装材の撤去
本格的な工事の一発目としては、内装材(電気、壁紙、ドア、ガラスなど)の撤去から始まります。掃除などでも上から下に向かって行っていきますが、そのイメージです。内装材の撤去の際にはかなりのほこりや粉じんが発生します。
このときに近隣に迷惑をかけてしまうことも考えられますので、事前のあいさつや周知などは必ずやっておきましょう。また、電気やガラスなどを撤去した後の処分に関しては、各自治体のルールなどがありますので、きちんと分別して処分する必要があります。
床材の撤去
内装材の撤去が終われば次は床材の撤去です。ひとことで「床材」といってもさまざまな種類があり、設置されていない場合もあります。その場合は撤去不要ですが、基本的にはそれぞれのケースに合わせた方法で撤去していきます。
床材を撤去した後には、地面がデコボコな状態になるため、これを平らにするのも工事の一環となります。全体的に時間のかかる工程ですが一つ一つ丁寧な作業が求められます。場合によっては貸主との話し合いで、床材の撤去を行わなくて良いとなれば、この工程は不要になります。
産業廃棄物の処理
内装解体工事で発生したごみや廃材、廃棄物などは全て産業廃棄物となり、相応の処理をしなければなりません。具体的には、産業廃棄物処理法の規定に則って処理します。間違っても不法投棄などの方法を取ってはいけません。
処理の流れを確認できるものとして、「マニフェスト」というものがあります。これは、解体業者に発行を依頼しますが、これは産業廃棄物の処理の流れを記したもので、産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名や処分業者名が記載されています。
これを見れば、どのように処理したかわかりますし、逆にこれを発行してくれないところは怪しい業者ということになります。
産業廃棄物の処理として、不法投棄などがされていた場合、責任の所在が曖昧になり、最悪の場合所有者(工事の依頼者)が処罰されてしまう可能性もありますので、十分注意してください。
産業廃棄物に関してはこちらの記事で詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
清掃
最後は解体後の物件の清掃です。貸主に明け渡すときであろうと、次の入居者に引き渡すときときであろうと、きちんと清掃して出ていくのがマナーであり礼儀であると思います。最後の最後まで気を抜かずしっかりと行いましょう。
内装解体工事費用の相場
工事費用はどうしても高くなってしまいがちです。専門的な作業になるため仕方ない部分もあるかもしれませんが、少しでも抑えたいというのが本音だと思います。ここでは、工事費用の大まかな相場と費用を抑えるための方法を簡単に紹介したいと思います。
見積もり時のポイント
見積もりの際に押さえておくべきポイントが2つあります。①工事範囲と②立ち合いでの見積もりをしてもらうことです。このほかにもある場合もありますが、それは各自で確認してください。
①工事範囲
工事の見積もり前までに、貸主と明け渡しに関する打合せを行っているはずですので、その打合せで確定した工事範囲を明確にしておく必要があります。
床材はそのままにしておいていい、エアコン以外は撤去しなければならないなど、様々なパターンが考えられますが、見積もりの際に、「残しておくもの」と「撤去するもの」をはっきりと答えられるようにしましょう。
どの程度処分するかで処分費用などが変わってきますので、正確な見積もりを出すことができなくなります。
②立ち合いでの見積もり
業者によっては、電話やメールなどで見積もりを出そうとしますが、解体工事に関しては、近隣の状態や内装の状態などを自分の目で見て確認しないと見えてこない部分もあります。可能であれば、貸主も踏まえて3者で見積もりに望むのが望ましいです。
あいまいな状態で工事を行ってしまうと、依頼が漏れていた撤去物の追加費用が発生したり、残しておかなければならないものまで撤去してしまい、再度設置する費用が発生してしまったりと、あとあと面倒なことになります。
費用相場
内装解体の場合には、物件の面積によってある程度の相場が存在します。ただし、内装の状態や階数、立地条件、特殊工事必要性のによって変動してきますので、あくまで目安としいて参考にしてみてください。
特殊な工事が必要な場合としては、アスベストが使用されていた場合があります。アスベスト除去工事が必要になると、さらに費用が発生します。
建物の種類 費用相場(1坪当たり)
オフィス | 1.3万~3.7万 |
飲食店 | 1.5万~4万 |
一般店舗 | 1.3万~4.5万 |
費用節約のためのポイント
少しでも費用を抑えるための方法を紹介します。必ずしも安くなる、節約できるものではありませんが可能性は上がるかと思いますので、試してみてください。
指定業者以外の見積もりをとる
内装解体工事を依頼する業者を選定する際に、1社だけで決めてしまうのではなく、指定業者以外の業者に見積もりを依頼し、工事相場をつかむとともに費用交渉の材料にすることもできます。ただし、見積額が安いというだけで施工業者を決めてしまうのは良くありません。
不用品を自分で処理する
先にも少し触れましたが、不用品をリサイクルショップなどに引き取ってもらったり、友人知人に譲ったりすることで、少しでも工事費用の足しにできるだけでなく、処分費用を抑えることができます。
実際にはいくらになるかわかりませんが、一度試してみる価値はあるかと思います。また、解体業者に処分を依頼することもできますが、業者が処分すると産業廃棄物扱いとなり、通常よりも処理費用が高くなります。
そのため、費用を抑えたい場合には、各自治体のルールにしたがって、ご自身で処分されることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、内装解体工事のあれこれを紹介してきました。大まかな流れは説明できたと思いますので、少しでも疑問や悩みを解決する役に立ったのであれば幸いです。
原状回復費用についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
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