2022/01/11
オフィスの敷金はいつ、どれくらい返ってくる?保証金と原状回復費用の関係を解説します
オフィスを契約するときは、高額の敷金を支払います。オフィス移転を考えている場合、返還される敷金をあてにされている方もいらっしゃるでしょう。実際にオフィスの敷金はいつ返還され、どのくらい戻ってくるのか気になるところです。
この記事では、敷金の概要から相場、返還時期をご紹介します。退去時に必要な原状回復との関係性も合わせてご覧ください。オフィス解約時の必要手続きに関しましては、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
オフィス契約時に支払う敷金とは?
賃貸オフィスを契約するとき、当たり前のように支払っている敷金。敷金はなぜ支払わないといけないのかご存じですか?まずは賃貸契約で必要な敷金について詳しく見ていきましょう。
敷金とは債務を担保するためのお金
敷金とは、賃貸契約を結ぶ際に支払う預託金(よたくきん)のことです。賃貸契約では、債務を担保するために、借主が貸主にお金を支払います。この支払ったお金は預託金として、貸主が保管します。
なぜ預託金を支払う必要があるのでしょう?
例えば、賃貸オフィスを契約していると、家賃の未払いが発生する契約者もいます。その場合の担保として、あらかじめお金を預かるのです。他にも、借主の過失による損傷も、この敷金からまかなわれます。
敷金の使い道
賃貸オフィスの敷金の使い道は、おもに以下の3つが挙げられます。
- 家賃の不払いや未払い
- 過失による汚れや傷、損傷の修繕費
- 退去時の原状回復工事
家賃の未払いや修繕費が発生しなかった場合は、原状回復費用に使います。
オフィスの敷金相場や返還時期について
賃貸オフィスで支払う敷金の相場や、敷金の返還時期についても見ていきましょう。オフィスの敷金は、住宅契約とは事情が違うことを頭に入れておいてください。
敷金相場は住宅よりも高額
賃貸オフィスの敷金相場は、住宅よりも高めに設定されています。物件にもよりますが、必要な敷金は、家賃の6~12ヵ月分を見ておくといいでしょう。
坪数 | 敷金相場 |
10~40坪 | 3~6ヶ月分 |
50~100坪以上 | 6~12ヵ月分 |
住宅よりも賃貸オフィスの敷金が高く設定されているのは理由があります。それは原状回復工事をする箇所が、住宅よりも多いからです。
賃貸オフィスに入居する際、テナントによって内装工事やさまざまな設備を設置します。その分、原状回復工事がかさむため、あらかじめ高額に設定されています。
また、中には家賃を支払わずに行方不明になる借主もいます。その場合は、貸主側で原状回復工事をしなければいけません。
敷金は、そうした貸主の負担を軽くするためにも、住宅よりも多く支払うのが通常となっています。
敷金の返還時期は契約終了後
退去時に余った敷金の返還時期は、契約終了後です。ここで気を付けたいのが、契約終了した日(退去した日)ではないということ。契約終了日はあくまでも「債務の精算」が決まる日です。
実際に借主に敷金が返還される時期は、物件によって異なります。この時期は賃貸借契約書にも明記されており、一般的には「1ヵ月以内に」「3ヶ月以内に」「6ヶ月以内に」が目安です。
そのためオフィス移転する際、返還される敷金を新しい物件の敷金に充てることはできません。オフィス移転を考えている方は、移転先に支払うお金は事前に用意しておきましょう。
オフィスの原状回復費用に充てたときの敷金の返金額は?
実際に賃貸オフィスを退去した際は、どのくらいの敷金が返還されるのでしょう。
先ほども紹介したように、家賃の未払いや物件の損傷がなければ、原状回復工事費用を引いたものが返還されます。ただし、オフィスの原状回復には修繕工事も入っているため、返還額はあまり期待しない方がいいでしょう。
もう1つ、必ず差し引かれるのが償却費です。賃貸オフィスには「償却(敷金償却)」を必要とする物件があります。
償却とは、オフィス解約時に無条件に引かれる費用のこと。近年では償却費が不要な物件も増えつつありますが、現状では多くの物件が償却費を設定しています。償却費は家賃の1~2ヶ月分が相場といわれています。
原状回復全体の流れやスケジュール感に関しましては、こちらの記事で詳しく解説しています。こちらの記事も合わせてご参照ください。
敷金の返還時期も見据えた退去計画を
賃貸オフィスの敷金を支払う際は高額ですが、実際に返還されるにはさまざまな費用が引かれます。オフィスの原状回復は工事内容が住居よりも多い分、費用もかかるのも難点です。
また、敷金はすぐに返還されないのも気を付けたいポイント。賃貸オフィスの退去後に敷金をあてにされている方は、返還時期も見据えて計画を立ててください。
オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
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