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賃貸物件の保証金が返還されない!?どうしたらいいの?退去工事の専門業者が詳しく解説します。

保証金が返還されない

今回は退去の際に気になる保証金(敷金)の返還タイミングに関して開設いたします。残念ながら退去後の敷金返還トラブルは後を立ちません。いざというときのために、対処法を抑えておきましょう。

2023年2月、引っ越しシーズンに伴い、原状回復に関するトラブルのご相談を多くいただいています。これらのご相談は年々増えており、原状回復トラブルについて、国民生活センターが注意を呼び掛けるほどになっています。

参考:引っ越しシーズンに増加「原状回復」トラブルに注意 (2023年2月5日)

https://www.youtube.com/watch?v=iJ4cj2TahIw

解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方を体形的にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。

空き家解体の現地調査の様子をYouTube動画でも解説しています!

私達ウラシコでは、解体撤去工事の見積もりの前に必ず現場を確認して、建物の位置や造作の形状、残置物の有無を確認し、お客様のニーズをきちんと確かめて、適切な見積もりをしています。実際の現地調査の様子を動画でもお確かめください。

敷金と保証金の違い

敷金と保証金の違い

敷金、保証金はほぼ同義で、引っ越し先に入居前に貸主が借主から預かるお金のことで退去時の原状回復費用に当てたり、未払いの家賃がある場合に償却したりする際に使用されます。

つまり、必要な金額を減算した後、残った分は返還され、逆に不足分は請求されることになります。

改正民法では敷金を「いかなる名義をもってするかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」と定めており、このことからも必要があれば償却して返還する必要があることがわかります。

「保証金」という言葉は、主に関西や九州の一部地域で使われています。関西では、「礼金」ではなく、「敷引き」という慣習が根付いています。「敷引き」とは、保証金返還の際に、必ず決まった金額が引かれるということで、「礼金」とほぼ同じです。

ただし、保証金から「敷引き」が行われる場合には、契約書に特約で敷引きされる額などの定めがありますので、契約の際にきちんと確認してください。

ほぼ同義の「敷金」と「保証金」ですが、いくつか違いがあります。その一つが、料金相場です。「保証金」はおおむね家賃の3〜6ヶ月分であり、「敷金」は家賃の1〜2ヶ月分であることが多いです。

また、敷金は、「礼金」とセットで支払う必要がある場合があるという点でも異なっています。「礼金」とは、家主への御礼金として支払う金額で、原則返還されません。金額は家賃1〜2ヶ月が相場となっており、敷金と合わせると家賃2〜4ヶ月となり、補償金の額と近い額になります。

このように、「保証金」と「敷金」・「礼金」はほぼ同じものであると考えることができ、その慣習の違いによる呼び方の違いだと考えることができます。

ここでいったん整理します。

保証金

・入居時に貸主が借主から預かるお金のことで、家賃の3-6ヶ月分であることが多い。

・特約で「敷引き」が定められていることもあり、この分は返還されない。残りの分は基本的には退去時に返還されるが、家賃の未払い分があったり、原状回復費用が発生したりする場合には、ここから償却されることもある。

敷金

・入居時に貸主が借主から預かるお金のことで、家賃の1-2ヶ月分であることが多い。

・基本的には退去時に返還されるが、家賃の未払い分があったり、原状回復費用が発生したりする場合には、ここから償却されることもある。

・併せて「礼金」を支払う場合もあり、これは家賃の1-2ヶ月分ほどの金額で返還されない。

※現在では、「保証金」も「敷金」と同じような意味でつかわれることが多く、敷引きの特約を定めないケースも増えてきています。

敷金(保証金)返還をめぐるトラブル

原状回復の見積もり

令和2年度住宅市場動向調査報告書(国土交通省住宅局)によれば、民間賃貸住宅入居世帯の 25.9%は何らかの住宅トラブルを経験したことがあると回答しており、そのうち、「修繕費用の不明朗な請求」についてのトラブルが17.4%、「家賃、敷金の清算」に関するトラブルが 20.6%と、発生したトラブルのうち敷金(保証金)の返還に関するトラブルが少なくないことがうかがえます。

ちなみに、「敷金・礼金などの金銭負担」が 50.3%で約半数の人が契約前の時点で困ったことがあると回答しています。では、具体的にどのようなトラブルがあるのかをみていきます。

返還される額に関するトラブル

敷金(保証金)は、「賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭債務」を担保するため貸主に預けているお金であるため、必ずしも全額返還されるわけではありません。

借主が貸主に金銭を支払わなければならない場合には、敷金から償却されることがあります。この場合には、減額された金額を返還する、もしくは不足分を借主に請求することになりますが、この償却に関して、原状回復や未払い家賃に関するトラブルが発生することがあります。

それぞれの場合に、どのようなトラブルがあるのかをみていきます。

原状回復に関する場合

原状回復とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定められており、借主の故意や不注意などにより、住居にキズなどの損傷を与えた場合に、その損傷を元の状態に戻さなければならないとされています。

退去の際に、どこまでが貸主の負担で、どこからが借主の負担になるのかがトラブルの原因となります。

例えば、退去点検の時には特に何も言われていなかったが、敷金返還の際に原状回復費用が引かれていた場合や、敷金(保証金)以上の修繕費用を請求されたが、内訳が不明瞭で身に覚えがない場合などがあります。

原状回復に関しては、経年劣化による日焼けや家具の設置による床のへこみなどは通常損耗となり、借主に原状回復費用の負担義務はありませんが、ペットによる壁や床の傷、引っ越しの際にできたキズなどは、借主が原状回復費用を負担しなければならないと考えられています。

原状回復の範囲など詳しい内容については、別の記事で説明していますのでこちらを参照してください。

未払いの家賃などがある場合

敷金(保証金)が未払いの家賃や退去付きの日割り家賃などを下回る場合には、その額を償却して返還するだけですので、特に問題ないように思えます。借主が未払いの家賃などがあることを認識していなかった場合トラブルになりかねませんが、これは借主側の責任でもありますので、注意が必要です。

敷金(保証金)が未払いの家賃や退去付きの日割り家賃などを上回る場合には、その額を借主に請求することになりますが、夜逃げ同然で音信不通になった場合や、請求したが支払いを行ってくれない場合には、借主側に不利益が発生する可能性があります。

この場合、連帯保証人などに連絡することになるかと思いますが、それもかなわなければ泣き寝入りするほかありません。

敷金(保証金)返還をめぐるトラブルへの対処

原状回復のトラブル

敷金(保証金)の返還などに関するトラブルには、2つの対処法があります。一つ目が、直接交渉で、もう一つが少額訴訟です。どちらの場合にも、専門知識が必要となりますので、弁護士や法テラスなどに相談することをお勧めします。

直接交渉は、文字通り貸主と借主が直接交渉することです。交渉が難航し、進展が見込めない場合には、弁護士を介して話すことや、内容証明を送るなど法的な解決法を探る必要があります。

それでも、交渉が決裂した場合には、次にあげる少額訴訟の手続きをとることになります。請求の金額が60万円以下であれば、簡易な手続きで少額訴訟を起こすことができます。

少額訴訟は、原則1回で判決が出るので、早期の解決を見込めます。簡易な手続きではありますが、弁護士などに依頼しなければならないため、その費用対効果をきちんと考慮したうえで行ってください。

敷金(保証金)返還をめぐるトラブルを避けるために

賃貸借契約書の内容

トラブルになり交渉や訴訟となった場合、精神的にも肉体的にも金銭的にも疲弊することになりますので、できるだけ避けたいものです。そこで、トラブルを避けるための方法をいくつか紹介します。

事前に原状回復に関する特約がないか確認

基本的には、契約締結時に説明がありますが、賃貸借契約書の内容をきちんと確認しておく必要があります。特に原状回復に関する項目や敷金に関する項目については、後からトラブルになった際には契約書に記載してある内容が優先されますので、この段階で不明点はなくなるようにしっかりと確認します。

原状回復の範囲や敷金(保証金)の返還時期、未払い家賃の償却などトラブルの原因になりそうな項目は、きちんと押さえておきましょう。

入居時にキズや汚れ、損耗がないか確認

退去点検後の原状回復の話の時に必要になります。自分がつけたものではないこと(入居前からあったこと)を証明するために、入居時に貸主と一緒に点検したり、スマホで写真を取っておいたり、入居時の点検した箇所を申告する用紙がある場合には、そこに記入し申告したりすることで、原状回復に関するトラブルになった場合に、自分を守ることができます。

室内の傷や汚れのほか、ドアの立て付け具合や水回りの水漏れなど細部までしっかりと確認しましょう。

保証金や敷金の契約内容はよく確認しておきましょう

原状回復のプロ

今回は、敷金(保証金)の返還に関することについて説明してきました。後腐れなく新居で生活するためにも、保証金や敷金の契約内容はよく確認しておきましょう。

原状回復のトラブルの相談先についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。

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