2022/06/01
【7選】日本におけるコンクリートの解体方法を徹底解説|種類と費用相場も解説します。
駐車場や玄関、庭などに使われることがあるコンクリートですが、その解体はどのように行うのでしょうか。また、「鉄筋コンクリート」とはどのようなものでどのような解体をするのかも併せて紹介していきます。
令和4年4月1日のアスベスト関連法令の改正実施内容に関しましては、こちらのページで詳しく解説しています。解体業者の現場目線で変更点を解説していますので、ぜひご参照ください。
目次
土間コンクリート
土間コンクリートとは
「土間コンクリート」とは、地面に直接、平面的に打った平坦なコンクリートのことをさし、地面に砂利や砕石を敷き詰めて固めた上に直接コンクリートを打って作った床(地面)のことです。
一般家庭の玄関や駐車場、門から玄関までの道、などに使われることが多いです。色は、白やグレーで、全体の厚さとしては、5cm~10cmとなることが多いです。この厚さが厚ければ厚いほど丈夫で頑丈な地盤を作ることができます。
土間コンクリートは、自動車の重量に耐えることができるほどの耐久性を誇り、直射日光による温度上昇も避けることができます。一方で、柔軟性に欠ける部分があるため、少しの温度変化でひび割れを起こしてしまうことがあります。
補強やひび割れ防止のために、鉄筋やワイヤーメッシュを入れることもあります。その他、目地と呼ばれる溝を作ったり、柴を植栽したりするなどの工夫を施すことで、柔軟性を補うことができます。
土間コンクリートの解体方法
先に述べたように、土間コンクリートには厚さや広さ、内部の構造などにより様々なタイプが存在することになります。それぞれ異なるタイプのつくりになっていますので、解体方法もそれぞれのつくりに合わせたものにする必要があります。
こうすることで、安全かつ最適に解体することができます。では、土間コンクリートの4つの解体方法について見ていきます。
クラッシャー工法
クラッシャー工法とは、ダイヤモンドカッターを使用して、コンクリートを削っていく工法で、ワイヤーソー工法と呼ばれることもあります。工事中の作業音を抑えることができるため、周囲への騒音を最低限に抑えることができます。地面だけでなく、ブロック塀やコンクリート壁の解体にも活用することができ、場所を選ばず作業できるのが、最大の利点です。
ウォールソー工法
ウォールソー工法とは、レールに切断機を付けて、レール上を移動させながらコンクリートを切断していく工法です。撤去するコンクリート部に切断線を引き、その線に沿うようにレールを設置して、切断していきます。撤去を精密に行うことができますが、難易度は比較的高めです。耐震工事や建物の改修工事などで使用されることが多い工法です。
ウォータージェット工法
ウォータージェット工法とは、超高圧水(高い圧力をかけた水)を利用して、コンクリートを削り取るようにして撤去していく工法です。撤去の際に、無振動になることから、振動による周囲への影響を抑えることができます。老朽化したコンクリートを撤去する際に使用されることが多く、水圧によって一気に撤去を進めることができます。
以前は、低圧での作業であったため大量の水を使用していましたが、近年は圧力を高めることで少ない水量で作業できるため、環境に配慮した工法として注目されています。
圧砕工法
圧砕工法とは、圧搾機を使用してコンクリートを圧で破壊していく工法です。ホコリや粉塵などが飛散しやすいデメリットがありますが、作業音がそれほど大きくないため、周囲への影響を軽減させることができます。
土間コンクリートの解体(撤去)費用
土間コンクリートの解体(撤去)費用は、基本的にはその面積によって決まりますが、コンクリートの厚さや中に鉄筋やワイヤーネットが組み込まれているかどうかで単価が変わってきます。コンクリートが厚ければ、その分撤去に時間がかかり、廃材も多くなります。
中に鉄筋やワイヤーネットが入っている場合も同様に、作業時間が増え、廃材の処分費用も高くなります。また、鉄筋を撤去するのに、特殊な機械を使用することも考えられますので、さらに費用が高くなる要因となります。
単価目安としては、以下のようになります。
土間コンクリートのつくり | 単価 |
厚さ5cm・鉄筋なし | 700円/㎡~ |
厚さ5cm・鉄筋あり | 1,000円/㎡~ |
厚さ10cm・鉄筋なし | 1,000円/㎡~ |
厚さ10cm・鉄筋あり | 1,500円/㎡~ |
※上記価格に含まれるものに関しては、各業者によって異なりますので、見積もりの際に必ず確認してください。
建物の解体と一緒に行う場合や解体後の整地や作り変えと一緒に行う場合には、多少の値引きがある場合もありますので、複数の工事を考えている場合には、一度相談してみるのがいいでしょう。
土間コンクリート解体の注意点
工期は短くても、近隣への迷惑を考える
コンクリート解体は基本的に1-2日程度で終了しますが、その間機械の使用や業者の出入り、路上駐車など、近隣へ迷惑をかける可能性がありますので、影響があると思われるところには事前挨拶に行くようにしてください。
業者の選定は慎重に
先にも述べたように、他の工事と一緒に行う場合には、すべての工事を一気に任せることができるところに相談しましょう。さらに、各業者の過去の実績を確認することで、本当に自分の要求に沿った工事を行ってくれそうかを確認することもできます。
地中埋設物が発見された場合には、工期が伸びる可能性がある
工事中に地中埋設物が発見された場合には、工期が伸びる可能性があるだけでなく、工事費用が高額になる可能性があります。建物を解体したときの瓦礫や廃棄物などが、コンクリートの下に埋まっていることも考えられます。
このようなものが見つかった際には、撤去するしかない場合もあり、その場合には、別途費用が発生することにあり、結果的に費用が高くなってしまいますので、事前調査など可能な限り行っておく方がいいかもしれません。
仕上げ方法の確認
解体と作り直しを一気に依頼している場合は考える必要がないこともありますが、その後の活用方法をきめていない場合などは仕上げの方法を考える必要があります。解体工事後は基本的に更地になっており、整地まで行われていないケースも多いです。
整地まで行う場合には別費用で行ってもらうことになりますので、解体(撤去)後の活用方法も考えておくのがいいでしょう。
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリート造とは
柱や梁、床、壁を鉄骨とコンクリートを使用して作り上げる建築の構造の一種です。引っ張る力に強いが熱や錆に弱い鉄筋の上に、熱や圧縮される力に強いが引っ張る力に弱いコンクリートを組み合わせることで、それぞれの短所を補い強固な構造を生み出します。鉄筋でできた枠型にコンクリートを流し込んで壁や梁などを作ります。
鉄筋コンクリート造の主な構造
ラーメン構造
「ラーメン」はドイツ語で「額縁」を意味し、柱と梁が「額縁」のように強固に一体化した骨組みが特徴です。重さや揺れに対して変形することなく、耐久性や耐火性に優れ、間取りの自由度が高い一方で、柱や梁が室内に露出してしまうという特徴もあります。
壁式構造
壁式構造とは、壁面と床面全体で建物を支える構造のことです。強度の高い壁や床が、箱のように面全体で建物を支えているイメージです。柱や梁の凹凸がなく、すっきりした印象で広く感じる一方で、増改築の際に壁の強度を失わせるような変更が難しいという特徴があります。
また、ラーメン構造より耐久性は劣るため、5階以上の建築物には使用されません。
鉄筋コンクリート造の解体工法
海外では、爆薬を使用した解体方法が取られることもありますが、日本では安全や騒音などに配慮した3つの解体方法が採用されています。また、解体した後の廃材についても、その処理方法など厳しい基準が定められています。
圧砕機工法
圧砕機工法とは、解体用機械の圧砕力を利用して解体する工法です。圧砕機とは、ショベルカーなどの重機に油圧式のハサミのような形をした刃先のアタッチメントを取り付け、鉄筋コンクリートを挟み砕いて解体する機械のことを指します。
圧砕機には、大きなハサミの形をした2枚の歯でコンクリートや鉄筋を挟んで圧砕する「大割機」と、大割機で圧砕したコンクリートをさらに細かく砕く「小割機」の2種類があり、状況によって使い分けます。この工法は、騒音や振動を抑えることができ、鉄筋や鉄骨入りのコンクリートを効率良く解体していくことができます。
ブレーカー工法
ブレーカー工法とは、機械による打撃でコンクリートを細かく破砕する工法です。ブレーカーには、全長約70cm、重量約20kgほどの大きさで、人が持ち運ぶことができるコンパクトなサイズの打撃用機械である「ハンドブレーカー」と重機の先端に取り付けて使用する「大型ブレーカー」の2種類があります。
どちらも先端の「ノミ」と呼ばれる杭を、コンクリートに打ち当てて激しく動かすことで打撃を与え、コンクリートを破砕していきます。この工法では、騒音や大量の粉塵が発生しますので、十分な防音、防塵対策が必要です。
転倒工法
転倒工法とは、その名の通り、解体する部分を倒し、倒した後で細かく破砕して解体する工法です。高い外壁や柱、煙突などを解体する際に用いられることが多く、粉塵などを抑えることができるメリットもあります。
倒したいものの上部に数本のワイヤーをひっかけ、下部のコンクリートを壊して中の鉄筋を切断し、ワイヤーを引っ張って倒します。一見簡単なように見えますが、高度な技術や豊富な経験が必要です。
鉄筋コンクリート造の費用相場
解体する構造にもよりますが、坪単価約3万円〜約8万円ほどが一般的です。あくまでも目安であり、面積、構造、立地条件など価格を変動させる要因がいくつもありますので、詳しくは見積もりをきちんととってください。
まとめ
今回は、コンクリートの解体について説明しました。耐震性や耐火性に優れており、様々な場所で使われているコンクリートですが、その強度から解体するのにも一苦労だということがわかりました。コンクリート造りの解体に関しては、ケースバイケースですので、複数社から見積もりをとることを忘れずに行ってみてください。
解体費用についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
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