2021/01/26
【工事を依頼する前に必ずチェック】解体工事の「足場」の種類まとめ|特徴と費用を解体工事業者目線でわかりやすく解説します
足場とは建築工事において、高所での作業時に作業員の足掛かりの為に仮に組み立てられたもののことです。高所での作業を行う場合、足場が必要となり、解体工事ではさまざまな種類の足場を使用します。今回はその足場の特徴と費用を紹介します。
目次
解体工事の足場の種類と特徴
くさび足場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般的な住宅の改修工事や解体工事でよく使われている足場がくさび足場です。特徴としてはハンマー1本で組み立てと解体ができるため、足場を設置、解体するまでの期間が比較的短く収まります。
また亜鉛メッキ処理されていて、錆に強く耐久力があるので、安全性の高さも評価されています。さらに、くさび足場はコンパクトに結束することができるので、輸送の費用を抑えることができます。また、住宅用の足場の中では作業が進めやすい足場です。
しかし、足場を設置する際ハンマーで叩いて固定するため、騒音が発生します。また、場所によっては設置できないところがあるため注意が必要です。
枠組み足場
枠組み足場は、鋼管を門型に溶接された建枠を中心にジャッキ・筋交・鋼製布板などを組み立てる足場のことで足場を高く組むことができます。
そのため大規模な改修、解体の際に使われることが多いです。高層階の建物やマンション、ビルにも対応することができ、安全性が高いのが特徴です。
ハンマーによる打ち込みが無いので、足場を組む際の騒音も比較的少ないです。しかし、足場を組む部材が大きく、搬入経路や資材置き場にも一定の場所が必要となります。
単管足場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鉄パイプを組み合わせて建てる足場が単管足場です。特徴は単管パイプとクランプを軸に足場の形状を変えることができるので、狭い場所でも設置しやすく、あらゆる建物の形に対応できます。
低層の外壁塗装用の足場として使用されることが多いです。また、組立が簡単で、部材がホームセンターなどで購入できるので、個人のDIYにも使われます。
しかし、足場の上で作業する作業員はパイプ2本の上に乗った状態で作業をすることになるので、安全性が低く危険性の高い足場です。また足場の上に物が置けないため、手がふさがった状態での作業が多くなります。
単管ブラケット足場
単管ブラケット足場は、単管に足を乗せる板をボルトで固定した足場です。単管足場より安全性が高いのが特徴です。しかし、足場を設置するための期間が長くなりやすく、ボルトが緩むと足場が揺れやすくなるため注意が必要です。
脚立足場
脚立足場とは脚立と床材をゴムバンドで緊結して建てる簡易的な足場です。建物全体の工事より、部分的な工事のときに使われることが多いのが特徴です。
足場の組み立てが簡単で、設置期間も短く済みます。しかし、簡易的なため、作業中の墜落の危険性が高くなります。
無足場工法
無足場工法とは、足場を設置しないで作業や工事を行うことです。屋上からロープブランコと呼ばれる台をつるして、その上に乗り作業をします。足場を組まないので作業工程を短縮でき、足場設置の費用も削減できるのが特徴です。
しかし、吊るされたまま作業をするので、不安定で危険性が高いです。不安定な状況が続く作業は、高度な技術が求められるため、熟練の職人を起用することで人件費が高くつくこともあります。
また、解体業者の選び方に関しましては、こちらの記事一覧ページにてまとめております。こちらも合わせてご参照ください。
解体工事の足場の費用
足場の設置費用は、足場の種類や解体する建物の大きさによって異なるため、基本となる目安がありません。なので、業者ときちんと見積もりを確認する必要があります。
簡易的な足場費用の算出方法
簡易的に足場の大きさから費用を算出するには、「解体する建物の外周に8M足したもの」と「解体する建物の高さ」を掛け合わせた数字が必要な足場の面積の目安となります。8Mは建物の外壁から足場までのおおよその距離です。
「建物の外周と高さを掛け合わせた足場のおおよその面積」に更に「足場費用と飛散防止ネットの金額」を掛け合わせた金額が最終的な足場設置費用の参考金額となります。
代表的な足場の相場
先ほども述べましたが、解体する建物の高さや大きさにより金額が変わってくるのが足場です。しかし、おおまかな費用についてはご紹介できます。
くさび足場 | 1㎡800円~1200円 |
枠組み足場 | 1㎡1000円~2000円 |
単管足場 | 1㎡600円~800円 |
単管ブラケット足場 | 1㎡800円~1200円 |
脚立足場 | 1㎡300円~500円 |
無足場工法 | 1㎡60円~400円 |
飛散防止ネット | 1㎡100円~200円 |
足場費用について注意すべきポイント
足場代無料とあるところには注意が必要です。通常工事費全体の20%は足場のための費用となっています。内訳は足場の資材を運ぶ運搬費用、足場を組む施工費用、足場の解体費用です。
足場は無料で設置できるほど簡単な作業ではありません。安全性や丁寧で正確な作業のためにも、依頼する解体業者はしっかりと選びましょう。
その他工事費用に関する記事をこちらのページでご紹介しております。こちらも合わせてご参照下さい。
足場設置でのトラブル
解体工事は危険と隣り合わせとういイメージをお持ちではないでしょうか?もちろん工事中に事故やトラブルに発生することもありますが、足場でトラブルが発生することも珍しくありません。そこで足場ではどのようなトラブルがあるのかをご紹介します。
養生シートが機材に引っかかる
養生シートが古かったり破れていたりすると、機械に引っかかり大事故につながる可能性があります。養生シートは他にも防塵、防音などの機能がありますが、破れていたりするとせっかくの効果が薄くなってしまいます。
足場が倒壊する
足場が古かったり、強度がなかったりすると台風や暴風などで倒壊する恐れがあります。足場が倒壊すると、乗っていた作業員が怪我するだけではなく、通行人や通行車両にも被害を負わせてしまう可能性があります。
近隣住民ともめる
土地の関係上、隣家の土地に使わせてもらって足場を組む場合があります。その際、隣家の人は家の敷地で工事をされるわけなのでもめる人もいます。解体業者は足場を組む前に隣家の人にしっかり状況を説明する必要があります。
まとめ
安全で円滑に作業を進めていくために足場はとても重要です。足場は工事が終われば解体されますが、作業員の安全と工事に適した足場を選びましょう。
解体工事のトラブルに関する記事はこちらのページでご紹介しております。こちらも合わせてご参照下さい。
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