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原状回復の指定業者とは?なぜ高い?高い理由と指定業者の変更方法を解説します

原状回復の指定業者とは

賃貸物件を退去する時には、入居時と同じ状態に戻す原状回復を行わなければいけません。

原状回復の工事を行う際によく聞く原状回復の指定業者について具体的に解説するとともに、指定業者の費用が高い理由や指定業者の変更方法などを解説してみます。

退去費用が高すぎるときの対処法はYouTube動画でも解説しています

このような動画は不動産会社さんにこそ多いですが、今回は原状回復業者としての視点から解説しています。

賃貸物件の退去時には、退去費用を巡ってトラブルになることが多くあります。これから退去を考えられている方、今現在トラブル中!という方はぜひご参照ください。

原状回復の指定業者とは

原状回復の指定業者とは

原状回復工事など退去にかかる費用は、借主側としてはできるだけ安く済ませたいと思う方が多いかと思います。

しかし、ほとんどの場合は物件賃貸契約時にオーナーが原状回復業者を指定しており、指定された業者に原状回復工事を行ってもらう必要があります。

指定業者に現状回復工事を行ってもらうと、費用が割高になってしまう場合が多いです。では、そもそもなぜ業者が指定されているのでしょうか。

なぜ業者を指定するのか

原状回復の指定業者

オーナーが原状回復工事の業者を指定する理由は、物件の不動産価値を維持するためです。

仮に業者を指定せずに借主が費用の安い業者へ依頼して、その業者の工事が雑であったり修繕漏れがあると、次の入居者からのクレームに繋がったり契約時期が遅れるなどの問題が起こることがあります。

不動産はオーナーにとって商品です。そのためオーナー側の立場であれば安く済むことよりも、技術があり信頼のおける業者を指定したいと思うのは必然だといえるでしょう。

原状回復の指定業者の費用が高い理由

オーナーが指定した原状回復業者の見積もりが思っていた以上に費用が高いというケースは非常に多いです。このような指定業者の工事費用が高くなる背景には、いくつか原因が考えられます。

業者を指定することによる独占状態

業者を指定することによる独占状態

業者を指定することによって、他業者との価格競争が発生せず、指定業者の独占状態になってしまいます。そのため、指定業者は余計な工事費用をかけて相場よりも価格を高く設定することがあります。

工事業者の利益構造

工事業者の利益構造

オーナーが指定する業者は、ビルマネジメント会社やゼネコンと言われる大手建設会社が多いです。こういった会社が工事を請け負い、工事自体は専門会社となる下請けとなる業者に依頼します。

更に、その下請け業者が職人や技能士に発注します。というように、元請けから職人までの請負構造があり、中間費用が多く発生することで全体の費用も高くなります。

悪質な指定業者の例

指定業者は苦労せず案件を受注でき、かつ業者を変更されることもないため、時に悪質な業者な請求をしてくることもあります。無論すべての業者が当てはまるわけではありませんが、これからご紹介することを注意して損はありません。

指定業者とオーナーで結託している

指定業者とオーナーで結託しているケース

かなり悪質ですが、指定業者とオーナーが結託し、不当な原状回復を要求してくるケースがあります。オーナーは次の入居者を早く獲得するために本来不要な工事を要求し、指定業者は今後も指定してもらうためにそのとおり工事をする、といった具合です。

指定業者とオーナーの関係には特に注意してください。それぞれに利害関係が見られたり、見積もりに違和感を感じた場合は、すぐに専門家に相談することをおすすめします。専門家の相談先については後述します。

見積もりをギリギリまで出してこない

見積もりをギリギリまで出してこないケース

こちらは、原状回復には本来不要な工事を入れたり、不当請求を隠すために、見積もりをギリギリまで出してこないというケースです。

借り主の退去期限に現状回復工事がギリギリ間に合うタイミングにならないと見積もりを出してくれないため、借り主は見積もりに不満があったとしても泣き寝入りしてしまうのです。

指定業者と交渉しようと思っても、退去期限に間に合わなければ、不当な見積り金額以上の金額を払わなければならないからです。このようなことを防ぐためにも、予め釘を刺しておいて都度見積もりを出すよう催促しましょう。

原状回復の指定業者は変更できる?

原状回復の指定業者の変更方法

では、原状回復工事の業者が指定されている時、借主はその業者以外に依頼することはできるのでしょうか。結論からいうと、指定業者の変更は非常に難しいです。

ただ指定されているからと言って絶対に変更できない、というわけではなく、オーナー側との交渉次第で別の業者に変更できる可能性もあります

ただし、多くの場合では契約書にて原状回復工事の業者指定について取り決められています。賃貸契約書にサインしていれば内容に合意しているという意味なので、そこからの変更は難しいことが多いです。

オーナーから業者を指定された場合は、まず賃貸契約書の内容に目を通し、業者が指定されているか確認しましょう。特にオーナー側が自由に内容を決められる特約の部分は、予想外の取り決めがある場合があるので注意してください。

指定業者の価格が高すぎる時

業者の変更ができず指定業者でも何とか費用を下げたいという時の対策をいくつか紹介します。

指定業者の価格が高すぎる時の交渉の仕方

原状回復の指定業者とは

管理会社からもらった見積書を他社に相談する相見積という形をオススメします。そしてその見積書を比較して、明らかに指定業者の見積もりが高い場合は管理会社に相談しましょう。

他者の見積書を実際に見せて交渉することで、指定業者の見積書と比較して明らかに費用が高い項目を見つけて指摘することができます。

指定業者の見積もりや請求金額が高すぎる時の相談先

指定業者の見積もりや請求金額が高すぎる時の相談先

原状回復費用が高額なためオーナーや原状回復業者と交渉しようにも、やはり専門的な知識もなければ不動産に関する知識もないと不安になる方は多いと思います。

そんな時は専門的な知識を持った機関へ相談すると良いでしょう。代表的な相談機関をいくつかご紹介します。

原状回復でトラブルがあった場合は、一人で悩まずに、頼れる相談相手に相談しましょう。こちらの記事でトラブルの相談先をより詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。

指定業者の見積書で確認しておく内容

原状回復工事を変更せず指定業者へ依頼する場合、指定されているからといって、もちろん何も考えなくてもいいわけではありません。

見積書の内容をしっかり確認して余分な費用が請求されていないか、曖昧な部分はないかを確認しておくことで、見積書より安い費用で済むこともあります。

原状回復範囲の確認

原状回復範囲の確認

通常損耗や経年変化の負担が貸主側にあるか(オフィスの場合は借主負担)、しなくてもいい部分を原状回復範囲として見積もりしていないかなどを確認しておきましょう。

例えば、エレベーターやトイレなどの共同部分は借り主が原状回復費用を負担する必要はありません。

ただし、こちらも特約によって一般的な原状回復範囲とは異なる範囲であっても、原状回復するよう決められている場合がありますので注意してください。

工事の内容が細かく記載されているか

指定業者の見積書で確認しておく内容

見積書の工事内容が「●●工事一式」といった曖昧な表現の場合は注意しましょう。

工事内容が不透明なので、本来不要な工事が盛り込まれている場合もあります。明確な工事内容を確認してきちんと記載してもらいましょう。

具体的にはハウスクリーニング、クロス費用、各種設備の費用など、細かく見ることでどこの部分にどれだけ費用がかかっているのかを確認することができます。

グレードアップ工事になっていないか

グレードアップ工事になっていないか

グレードアップ工事は、例えばクロスの原状回復をする時により質の良いものに張り替えたり、空調などの設備を以前よりいいものにする工事のことです。

この工事は必要以上の原状回復工事になりますので、交渉して減額してもらいましょう。

原状回復工事前に注意すべき点はいくつかあります。特に見積もり時や請求時にはトラブルが発生する可能性が高いので、事前に押さえておきましょう。ぜひ合わせてご参考ください。

まとめ

指定業者はオーナーとの交渉次第で変更することも可能

いかがでしたでしょうか。原状回復工事はテナントの不動産価値を維持するための大切な工事なので、オーナーとしては業者を指定することで安心できる工事を望んでいます。

ただし、指定業者はオーナーとの交渉次第で変更することも可能です。指定業者の変更ができなかった場合でも、費用を抑えることは可能なので借主は諦めないでください。

業者の指定するオーナーの方々も、借主が業者を選ぶ場合も、適正な価格でかつ丁寧な作業を行っている実績の多い業者へ依頼しましょう。

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