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【見積もり時・請求時】原状回復工事前に注意すべき点まとめ|絶対に抑えておきたいチェックポイントとは

原状回復工事を依頼するときに必要になるもの

新型コロナウイルス、世界的不況、バブル経済の崩壊、流行の廃れなど様々な理由で物事の潮時を感じるタイミングは様々あると思います。事業を「始める」ときがあれば、「終わる」時が来るものです。

今回はそんな「終わる」時に注意しなければならないことをまとめて紹介します。飲食店やオフィスとして使用してきた建物を返還する(明け渡す)ときの注意点に着目して解説していきます。

内装解体・原状回復工事など、退去費用の見積もり書の見方は動画でも解説しています!ぜひこちらも合わせてご参照ください。

原状回復工事を依頼するときに必要になるもの

原状回復工事を依頼するときに必要になるもの

建物の明け渡しの際には原状回復工事が必要になります。どの業態でも多かれ少なかれ、借りたときから内装やインテリアなど手を加えているかと思います。

そのようなものを借りた時の状態に戻す際(原状回復)は、業者に工事を依頼することがほとんどです。工事の前には現地での見積もりが必要となりますが、その際に依頼主は、どの程度の工事が必要になるのかを把握しておく必要があります。

その際に必要になるのが、賃貸不動産契約書です。通常契約の際には、退去(明け渡し)の際の事項も事前に記載されています。全ては契約書に則って進めていかなければなりません。

賃貸不動産契約書には以下の様な内容などが記載されています。

  • 原状回復の範囲の指定(どのような状態で退去しなければならないのか)
  • 解体業者の指定(オーナー管理会社が指定している場合もある)
  • 明け渡し日の通知期間の指定(退去日のどれくらい前までに通知しなければならないか)

賃貸不動産契約書は、原状回復工事や引き渡しの際に非常に重要になります。契約書を捨ててしまう人はいないと思いますが、きちんと保管しいつでも確認できるようにしておきましょう。

見積もりまでにやっておくべきこと

1.施工会社に実際に現地を見てもらう

施工会社に実際に現地を見てもらう

実際に施工会社に見積もりを出してもらう際には、現地を実際に見てもらう必要があるかと思います。実際の施工箇所はどのようなものなのか、といったことを見てもらってからの見積もりが必須です。

引っ越しの際でもそうですが、安易に電話口だけで相談するのは、後々トラブルの原因となりますので避けましょう。自分で探した会社にしろ指定会社にしろ、実地見積もりの際には、依頼主が立ち会うことはもちろんですが、できればオーナーや管理会社の方にも立ち会ってもらいましょう

契約書に則って実際にやらなければならない工事の範囲を確定することはもちろんですが、場合によってはオーナーの意向で工事の範囲が縮小されることもありますので、可能であればお願いするようにしましょう。

2.最低でも何日必要になるのか、スケジュール感を把握しておく

現状回復工事のスケジュール感を把握しておく

見積もりの際には、どのようなスケジュール感での工事になるのかも重要です。明け渡しまでの間に工事と片付けまで終わらせておかなければなりません。

そのためには最低でも何日必要になるのか、可能であれば片付けが終わるまっ1週間程度の余裕を持って予定を立てましょう。退去日ぎりぎりのスケジュールでは深夜帯の工事や短期間での工事となり、施工費用が割高になる可能性もあります。

期日までに引き渡しできなければ、最悪の場合、貸主から来月分の家賃や損害賠償を請求されてしまいます。

3.不用品・廃棄物の処理方法を明確にしておく

不用品・廃棄物の処理方法を明確にしておく

更に、見積もりの際には、不用品・廃棄物(飲食店の場合には大型冷蔵庫や食器類など)を自分で処理するか、施工業者に処分してもらうのかを明確にしておきましょう。

この不用品を自分で処分するかどうかによっても、見積り金額が変わってきます。一般的に施工業者に処分を依頼すると産業廃棄物扱いとなり、一般ごみでも処分が割高になりますので、自分で処分できるものは自身で処分するのがおすすめです。

産業廃棄物はマニフェストに則って処分しなければなりません。産業廃棄物とマニフェストの関係は、こちらの記事でより詳しく解説しています。解体工事を依頼される際は、必ず理解しておきましょう。

原状回復の際に多いトラブル例

①指定業者の見積もりに記載されている費用が相場よりも圧倒的に高い

指定業者の見積もりに記載されている費用が相場よりも圧倒的に高い

貸主側の指定業者の見積もりが、他社の見積もりと比べて圧倒的に高い場合があります。提出された見積書が簡素な場合、詳細な見積もりの提出を求めましょう。詳細な見積もりを提出してもらい、どこにどれくらいの費用がかかるのかを明確にする必要があります。

不要な費用が何なのかを明確にし、なぜそのように費用がかかるのか、指定業者や貸主に説明を求めるとともに、減額交渉を行いましょう。それでも、高額な費用を請求される場合には、安易に受け入れてしまわずに、専門家に相談するしかありません。

適正価格(納得の行く価格)をはっきりさせることは消費者として当然の権利であり、決して泣き寝入りすることのないようにしましょう。場合によっては訴訟も視野に入れ、ことを進めていかなければなりません。

②工事が間に合わず、引き渡し期日を過ぎてしまった

工事が間に合わず、引き渡し期日を過ぎてしまった

借主側のスケジュールの不備があったことが原因であれ、業者の工事未完成が原因であれ、引き渡し期日に遅れてしまった場合には、貸主側から遅延期間分の家賃を請求されても、借主は拒否することができません。

予め退去の日程が決まっているのであれば、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。それができないのであれば、はじめから期日を延長してもらうか、施工業者に追加の金額を払って、工事を急いでもらうしかありません。

どちらの方法でも、通常よりも費用がかさんでしまいます。このような事態を避けるためにも計画には余裕を持ちましょう。また、間に合わないのが明らかになった時点で貸主に報告するのも借主としての義務だといえますので、間に合わない場合は正直に申告しましょう。

③経年劣化等による損耗の借主の負担

経年劣化等による損耗の借主の負担

居住用の賃貸物件の経年劣化や通常使用による損耗に関しては、借主に原状回復責任はないとするのが一般的です。2020年4月の民法改正によりこれが明文化されました。そのため通常生活を送っていく上で、床などの損耗を起こりうるものであって、借主が意図的につけた傷ではないため、借主にはその交換義務はありません。

意図的なものかどうかは曖昧な基準でしか図ることができず、明確でない場合も多いです。そのため、どちらに負担の義務があるのかを立証する費用がある場合もあります。

この立証責任は、依頼主側にあり、一概にどちらが責任を追うものでもありません。また、床に借主の過失による傷があったとしても、その部分だけの交換費用の負担が一般的であり、全面張り替えの費用を負担する必要はないと考えられています。

契約書に特約で、負担の明記があった場合には、消費者契約法10条により、負担しなくて良い場合もあります。不当な請求だと感じたら消費生活センターや専門家に相談しましょう。

店舗やオフィスを原状回復

店舗やオフィスを原状回復する場合は、居住用の賃貸物件と異なり借り主が全額負担する場合が一般的です。なぜなら業種業態によって使用状況が大きく異なるため、通常は賃料に含まれている原状回復費用を定額で含めることが難しいのです。

店舗やオフィスの原状回復範囲は賃貸契約書に記載してあります。現状回復工事を依頼する前にしっかり確認してください。特に原状回復の特約事項には例外的な条件が記載されている可能性が高いため、注意が必要です。

トラブルになった場合には?

実際にトラブルになった場合には、誰に相談するのが良いでのしょうか。思いつく相談先としては、仲介業者(不動産業者)、施工業者、弁護士、消費生活センター、専門コンサル会社などがあります。どこに相談すればいいのか、一つ一つ検討していきましょう。

仲介業者(不動産業者)

契約書に特約で、負担の明記があった場合には、消費者契約法10条により、負担しなくて良い場合もあります。

まずは、オーナーと借主をつなぐ存在である、仲介業者(不動産業者や管理会社)に相談してみましょう。彼らはスムーズな退去を円滑に進めることが仕事の一つなので、ほとんど場合、相談にのってくれると思います。

ただし、仲介業者から見れば、当然オーナーの方が今後も付き合っていく大切なお客様であるため、借主は効果的なアドバイスは得ることは難しいかもしれません。

原状回復の施工業者

原状回復の施工業者

原状回復のプロフェッショナルで金額感を知っている施工業者に相談するのもいいでしょう。ただし彼らの本業は「施工」のため、アドバイスはサービスの範囲内になります。基本的には自信が施工する可能性のある工事に関すること以外には対応していないと考えましょう。相談をするのであれば、依頼を前提としていることがマナーです。

弁護士

弁護士

弁護士は最終的な手段になることが多いですが、弁護士に依頼する際は不動産トラブルに詳しい弁護士に依頼しましょう。不動産トラブルに詳しい弁護士でないと、知識を有していないことも多く、アドバイスは期待できません。また、相手を身構えさせてしまう可能性もあるため慎重にする必要があります。

消費生活センター

消費生活センター

個人住宅、賃貸マンションのトラブルは各自治体の消費者生活センターに相談してみてもいいでしょう。ただし基本的に「消費者個人」を対象としているため、法人などは対応していません。対応はケースバイケースになることが多く、あくまで相談先として控えておきましょう。

専門コンサル会社

専門コンサル会社

過去の実績から、そのトラブルを専門として扱っており、十分なノウハウを有している企業を選定しなければなりません。サービスの一環として行っているところでは、十分な交渉を行うことができない場合もあります。

以上のように、どこに相談しても一長一短ですが、まずは原状回復の施工業者か専門コンサル会社に相談するのが無難でしょう。しかし、専門的な知識を有していなければ意味がありませんので、相談する際には、十分に調べてから相談してください。

また、相談相手を決める際には以下のようなポイントを抑えているかを確認しましょう。

  • 守秘義務が守られるところであること
  • 専門的知識を有していること
  • 交渉を拒否された場合にも対策が取れること

その他こちらの記事ではトラブルが起こってしまった際の対処法と相談先を詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。

おわりに

私たちは原状回復の専門業者です。

ここまで見積もりまでに必要なこととその際にトラブルとなり得ること、どこに相談すればいいのかを説明してきました。

この記事を読んでいるということは、少なからず困っていることがあるのではないでしょうか?自分で調べることは大事なことですが、一人で抱え込まず誰かと悩みを共有しアドバイスを貰うことも重要です。

あまり思いつめず、幅広く様々な意見を取り入れてることで、いい解決策が見つかるかもしれません。

トラブルを起こさないための一番よい方法は信頼できる業者を選ぶことです。こちらの記事で信頼できる解体業者の選び方を解説していますので、ぜひご参照ください。

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