特管とは？特別管理産業廃棄物（PCB・特定有害産業廃棄物）について徹底解説します！

皆さんこんにちは！今回は「特管」や「PCB」と呼ばれる特別管理産業廃棄物について解説します。産業廃棄物の中でも危険性が特に高かったり、環境に与える影響の観点から危険性が高いものは「特別管理産業廃棄物」と呼ばれます。

通常の産業廃棄物と比べて、排出から処分までの過程でより厳密な管理が必要となり、よりも厳しい基準を守って処理を進める必要があります。適切に処分しなかった場合は罰則を科される可能性もあるため、今回の動画でしっかり要点を抑えて、注意していきましょう。

特別管理産業廃棄物とは？

まずは、「特別管理産業廃棄物」について概要を説明いたします。こちらの表をご参照ください。表にあるように、産業廃棄物の中で、爆発性や毒性、感染性が高く、健康や環境に影響を与える可能性があるものは「特別管理産業廃棄物」と呼ばれます。

なお、こちらの表にあるその他の廃棄物の説明は別の動画で解説していますので、ぜひそちらも合わせてご参照ください。

特別管理産業廃棄物の種類

次に、特別管理産業廃棄物の種類について解説します。特別管理産業廃棄物は、以下の表に示す、5つの種類に分類されます。それが、①廃油 ②廃酸 ③廃アルカリ④感染性産業廃棄物 ⑤特定有害産業廃棄物です。さらに、5番目の特定有害産業廃棄物は、11種類に分類されています。

この特定有害産業廃棄物は、様々な産業廃棄物の中でも「最も危険な廃棄物」であるとイメージしておくと理解しやすいと思います。また、ここですでにお気づきの方もいると思いますが、「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」などは、「産業廃棄物」「特別管理産業廃棄物」「特定有害産業廃棄物」の3つすべてに名を連ねています。

実はこれらの廃棄物は、主に含まれる化学物質の濃度によって、どの産業廃棄物に属するかが決まります。同じ「廃油」でも含まれる物質や濃度によって、「産業廃棄物」になったり、「特別管理産業廃棄物」になったり、「特定有害産業廃棄物」になったりするわけですね。

詳細な判別基準は、非常に細かくなりますので、環境省のホームページをご確認ください。リンクを載せておきます。

環境省 特別管理産業廃棄物の種類及び判定基準等
https://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/ref04.pdf

廃油（特別管理産業廃棄物）

それでは、それぞれの項目について、端的にまとめて一つずつ解説していきます！まずは、特別管理産業廃棄物の廃油です。
特別管理産業廃棄物の廃油は、揮発油類、灯油類、軽油類などの引火点７０゜Ｃ未満の燃焼しやすいものが分類されます。

廃酸（特別管理産業廃棄物）

2番目は 、特別管理産業廃棄物の廃酸です。著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸が分類されます。つまり、通常の金属製の容器などは溶かしてしまう可能性がある危険物ですね。

廃アルカリ（特別管理産業廃棄物）

3番目は 、特別管理産業廃棄物の廃アルカリです。著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリが分類されます。こちらも廃酸同様に容器を溶かしてしまう可能性があるものです。

感染性産業廃棄物

4番目は、感染性産業廃棄物です。医療機関等から排出される産業廃棄物で、感染性病原体が含まれ、もしくは付着しているおそれのあるもの

特定有害産業廃棄物

5番目は、特定有害産業廃棄物です。これは11つの廃棄物が該当します。次からは11つの特定有害産業廃棄物をまとめて解説します。

廃PCB等

特定有害産業廃棄物の1つ目は廃PCB等です。廃PCBやPCBを含む廃油が該当します。PCBとは「ポリ塩化ビフェニル」で、かつて電気絶縁体や冷却剤に使われた有毒な化学物質です。その強い毒性から、現在は製造・輸入ともに禁止されていますが、古い発電施設などを解体する際などに発生します。

PCB汚染物

2つ目はPCB汚染物です。先ほどと同じくPCBが付着した物質が該当します。

PCB処理物

3つ目はPCB処理物です。たとえ適切に処理したとしても、PCBを含むものは特定有害産業廃棄物になります。

廃水銀等

4つ目は廃水銀等です。特定施設で生じた廃水銀や水銀使用製品から回収した廃水銀が該当します。

指定下水汚泥

5つ目は指定下水汚泥です。下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥が該当します。

鉱さい

6つ目は特定有害産業廃棄物の鉱さいです。産業廃棄物の鉱さいと混同しないように注意しましょう。重金属等を一定濃度を超えて含むものが該当します。

廃石綿等

7こ目は廃石綿等です。アスベストですね。石綿建材除去作業などで出たアスベスト建材が該当します。

燃え殻

8こ目は特定有害産業廃棄物の燃え殻です。産業廃棄物の燃え殻と混同しないように注意!重金属等、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むものが該当します。

ダイオキシンは、廃棄物の焼却や農薬などの化学物質合成時の副産物として発生します。毒性が強いだけではなく、生き物の身体に残留するため、非常に危険な物質です。

ばいじん

9こ目は特定有害産業廃棄物のばいじんです。こちらも産業廃棄物のばいじんと混同しないように注意!重金属等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むものが該当します。1,4-ジオキサンは、主に工業溶剤として使用されています。有害で、引火性も強いため、危険です。

廃油

10こ目は特定有害産業廃棄物の廃油です。産業廃棄物や特管の廃油と混同しないように注意!有機塩素化合物等、1,4-ジオキサンを含む廃油が該当します。

汚泥、廃酸、廃アルカリ

11こ目は特定有害産業廃棄物の汚泥、廃酸、廃アルカリです。産業廃棄物や特管に分類されるものと混同しないように注意!重金属等、PCB、有機塩素化合物等、農薬等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むものが広く該当します。

https://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/ref04.pdf

特別管理産業廃棄物管理責任者ついて

さて、次は、特別管理産業廃棄物を取り扱う事業者に求められる義務やルールについて解説して参ります。まずは、特別管理産業廃棄物を取り扱う事業者に求められる義務についてです。特別管理産業廃棄物を取り扱う事業者には、「特別管理産業廃棄物管理責任者」の選任と報告義務があります。

特別管理産業廃棄物管理責任者は、廃棄物の保管状況の確認、委託業者の選定、マニフェストの交付・保管などを行います。特別管理産業廃棄物管理者は誰でもなれるわけではありません。取り扱う廃棄物の種類に応じた専門的な要件を満たす必要があります。簡単になれるものではありません。

要件は資格や学歴、実務経験になります。非常に細かくなるので、ここでは割愛します。リンクを載せておきますのでご参照ください。

環境省制度概要 https://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/

特別管理産業廃棄物の処分を委託、実施する際のポイント

最後に、特別管理産業廃棄物の処分を委託する際のポイントの要点を説明します。実際は、委託する際に細かな規則がありますので、環境省のHPで確認しておきましょう。こちらも概要欄にリンクを載せておきます。

・運搬または処分を他人に委託する場合には、特別管理産業廃棄物収集運搬業者、特別管理産業廃棄物処分業者それぞれに委託すること

・運搬と処分が別会社の場合、両方が許可を持つことを確認しましょう。

・委託契約は書面にて行なうこと（通常産廃と同基準）

まとめ

今回は特別管理産業廃棄物について、解説して参りました。少しでもわかりやすくお伝えできていましたら幸いです。特別管理産業廃棄物は、取り扱いを誤ると生活環境に大きな影響を与える危険があります。

取り扱う事業者は、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任し、廃棄物が適切に保管、運搬、処分されるよう努めましょう。私たちウラシコは、産業廃棄物の処理を法律に基づいた手続きを踏んだ上で、正しく処理しております。

産業廃棄物の処分でお困りの方はぜひウラシコにご相談ください！それではまた！ありがとうございました。