2021/02/19
店舗・テナント退去時の原状回復費用に保険は利用できる?火災保険、賠償責任保険などを例に解説します。
店舗やテナントを退去するときに必ず必要になるのが原状回復です。原状回復とは、入居前の状態に戻すことです。この記事では保険に加入するメリットから原状回復費用に使える保険を紹介します。
原状回復費用は必ずかかってしまう費用ですが、保険でも利用できるのはご存じですか?この保険をうまく利用して、費用を少しでも抑えましょう。
物件を退去した時などに聞く「原状回復」についてあまりご存知でない方は、こちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご参照ください。
目次
店舗やテナント契約でも保険に入るメリットとは?
店舗やテナントを持っている方は、なんとなく保険に入っている方も多いと思います。いざというときに頼りになる保険に加入しておくと、実際にはどんなメリットがあるのでしょう?保険加入するメリットは主に以下の2つです。まずは保険の大切さを今一度確認してみましょう。
リスクを最小限に抑えらえる
一番のメリットは、万が一のときにリスクを最小限に抑えられることです。予期せぬ惨事が起こったとき、保険に入っていなければ大変なことになります。
高額な修繕費がかかるほか、近隣の方への補償もままなりません。しかし、保険に加入していれば、修繕費や補償もおりるので安心です。
また、火災や地震などで営業を休業しなければいけない場合も、保険に入っていれば補填してくれるものもあります。
火災保険に加入すれば地震保険にも加入できる
日本は地震大国。近年では各地で頻繁に地震が起きていますよね。耐震性の高い店舗やテナントを借りていても、大きな地震が来れば建物は倒壊ないし損傷してしまうという心配があります。
そんなときに役立つのが地震保険です。ただし、地震保険は単体で加入できません。地震保険をかけるには、火災保険への加入が必須条件です。
多くの火災保険は一般住宅を含め、店舗やテナントでも加入している方がほとんどです。いざというときのために、地震保険への加入もおすすめします。
退去時には原状回復の費用に保険が利用可能な場合も!
保険はいざというときのために使うものと思っていませんか?実は原状回復費用にも例外的に保険が利用できます。後述で保険内容については詳しく説明しますが、店舗やテナントの管理会社への賠償を補償する特約があるので、こちらをうまく利用してみましょう。
この特約が適用されれば、退去時に必要な原状回復費用も保険で支払えます。ただし、気をつけたいのが適用される内容です。保険契約者の故意や過失による費用は保険適用外なので注意してください。
また内容によっては保険適用しない方が、原状回復費用が少なくなる場合もあります。実際に保険を使うときは、内容を確認しながら見極めてください。
万が一原状回復のトラブルが起きてしまった際は、こちらの記事で相談先をまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
原状回復費用に使える保険の特徴
それでは具体的にどんな保険が原状回復費用に使えるのか見ていきましょう。原状回復費用として保険を使う場合には、火災保険への加入が必須ということを覚えておいてください。
火災保険
店舗やテナントを持っている方のほとんどが加入している火災保険。とくに飲食店を経営されている方は大切な保険です。自店舗による火災の補償はもちろん、近隣からのもらい火による被害も火災保険でまかなえるので、必ず加入しておきましょう。
加入する際は、「不慮の事故」が保証対象に入っているかがポイントです。通常の火災保険では「不慮の事故」が保証対象になっておらず、特約で付加するものになっています。
すでに火災保険に加入されている方は保険内容を確認し、特約に不可されていなければ中途付加できるか問い合わせてみましょう。
借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険は、火災保険の特約として設けられている保険です。火災保険の多くは、この借家人賠償責任保険がセットに含まれていることが多いので、店舗やテナントを持っている方は自動的に加入していることがあるでしょう。
原状回復費用の支払いで大きな役割を果たすのが、この借家人賠償責任保険です。具体的には、建物のオーナーや管理会社に責任がある損害(火災、破裂、水漏れ、爆発)に対して保証するものです。原状回復は入居前の状態に戻さなければいけませんので、状態によっては高額な修繕費がかかります。
この保険に入っていれば、不慮の事故が原因の損耗の原状回復費用の多くを保険で適用できるため、退去時の出費をおさえられるのがメリットです。ただし先ほども説明したように、契約者の故意や過失によるものは対象外です。あくまでも「不慮の事故」に対する補償と考えておいてください。
保険が利用できる条件
火災保険や借家人損害賠償責任保険が利用できる条件をまとめると、「不慮の事故によって建物に損害を与え、貸主に損害賠償責任を負った場合に利用できる」となります。
また、保険の補償を受けるには、保険会社に対して延滞なく報告する義務があります。保険金請求を請求できる期限の時効は、支払い発生から3年と決められています。保険金請求の手続きは面倒ではありますが、出来るだけすぐに対応したほうがよいでしょう。
原状回復費用は保険で利用できる可能性がある
原状回復費用は、条件を満たせば保険を使って支払いが可能です。ただし、保険をあてにしていてはいけません。適用できない範囲も多いため、原状回復費用はあらかじめ用意しておく方が安心です。
店舗やテナント向けの保険はほかにも多数ありますので、状況に合わせて加入してみてください。また、こちらのページでは、原状回復における行政手続きに関しての記事をまとめてあります。是非こちらも合わせてご参照ください。
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