2022/02/04
【テナント借主必見】飲食店の原状回復とは?工事内容・費用・範囲をまとめて解説いたします。
飲食店をやむを得ない事情で閉店することになった時、必ず必要となるのが借りている物件の原状回復工事です。いざ閉店するとなった時に「原状回復工事ってどこまでやるのか?」や「費用はどのぐらいかかる?」などといった疑問を持たれる方も多いでしょう。
そこで今回は、飲食店の原状回復について、工事内容・費用・範囲など必ず知っておきたい基礎知識をお伝えいたします。
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目次
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飲食店の原状回復ってどんなもの?
原状回復とは一般的に「物件入居時の状態に戻すこと」を言います。ただし飲食店の原状回復には、独自の基準があり、居住用物件の原状回復とは大きく異なります。
例えば、居住用物件では、基本的に通常損耗や経年劣化による損耗の修繕費用は賃料に含めて徴収されています。
しかし飲食店の場合は、人の出入りも多く、どこまでが通常損耗に当たるかの判断が難しいため、原則、借主が原状回復にかかる費用を全て負担することになっています。
飲食店で行われる原状回復には2種類ある!
ここからは、飲食店の原状回復で採用される2つの方式について説明します。
飲食店の原状回復その➀:スケルトン方式
「スケルトン」とは、建物の躯体だけが残った、内装が何も無い状態を指します。「スケルトン方式」とは物件をスケルトン状態にして返却するということです。基本的に「スケルトン方式」の店舗を借りた場合、原状回復の際にもスケルトンにして返します。
飲食店の原状回復その②:居抜き方式
前のテナントが使用していた内装や厨房機器を残したまま入居する方式が「居抜き方式」となります。「居抜き方式」はさらに細かく2タイプに分かれます。どちらのタイプかは賃貸借契約書に記載されているので確認しておきましょう。
造作譲渡
もともとはスケルトン方式となっていた物件を、内装を残したまま譲り受けて、飲食店をオープンさせた場合がこれに当てはまります。こちらのケースでは、スケルトンに戻す原状回復義務も入居者が引き継ぐことになるので、退去時はスケルトンに戻して返さなければなりません。
ただし、貸主の許可を得たうえで、次に入るテナントを探してきて造作譲渡すれば、原状回復工事をしなくて済む場合があります。
居抜きで退去してOK
入居時に居抜きで入って、退去時にも同じ居抜きで引き渡すことができるのがこちらのケースであり、入退去時の工事費用が大きく抑えられるのがメリットです。
一般的には、壁紙、天井の張替えや自分で設置した内装の撤去のみの工事で済むことが多いです。原状回復の範囲は物件によって異なるので、入居時の契約をしっかり確認しておきましょう。
飲食店の原状回復の範囲はどこまで?
結論から申し上げると、飲食店の原状回復の範囲は、店舗ごとに大きく異なります。先程申し上げた、スケルトン方式と居抜き方式だけではなく、一部をスケルトン、一部を居抜きなどのパターンがあり、一概にも範囲を申し上げることは難しくなっています。
また、原状回復の範囲についてよく参照されている、国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」ですが、これは元々、居住用賃貸住宅を想定して作られているため、店舗の原状回復は記載されていません。
また、店舗の原状回復においてガイドラインより効力を持つのは、賃貸借契約書内に記載されている原状回復特約となります。入居時、退去時には、賃貸契約書内の原状回復に関する該当箇所をよく読んでおくようにしましょう。
飲食店の原状回復工事の内容は?
前述の通り、原状回復の範囲はお店ごとに異なるものの、基本的な工事内容は変わりません。飲食店の原状回復の工事内容は大まかに以下の4つのプロセスがあります。
➀内装解体工事
カウンターや客席の間仕切りなど、借主の都合で入れた造作物、ドアや窓ガラスの撤去を行います。
②修繕・設備工事
床の張替え、壁のクロスの張替え、塗装、電気の配線、ガス管設備の修復、照明の撤去などを行います。
③スケルトン工事
内装物などをすべて撤去し、コンクリート打ちっぱなし(躯体のみ)の状態にします。
④工事の過程で生じた廃棄物の処理、清掃
解体工事では、瓦礫や木片など大量の産業廃棄物が発生します。これらを適切に撤去、清掃します。
工事費用の相場を知っておこう!
ここからは、「原状回復工事費用ってどのぐらいかかるのか?」といった疑問にお答えします。
結論から言うと、費用相場は建物の立地条件や現場の状況、工事を行う施工業者などによって大きく変動します。下記はあくまでも参考程度にお控えください。
内装スケルトン解体の場合の料金となります(1平米あたりの単価です)
お店の種類 | 工事費 | 詳細・備考 |
カフェ | 5,500円~ / ㎡ | 客席の間に置く間仕切り壁が少ない店舗が多いため、比較的安くなる傾向があります。 |
ラーメン店 | 6,000円~ / ㎡ | 客席間の間仕切り壁がなく、その他の設備も少ないため、飲食店の中でも比較的安く収まります。 |
居酒屋、レストラン | 6,500円~ / ㎡ | 掘りごたつや客席間の間仕切り壁等、壊さなければいけない設備が多いため、比較的高くなる傾向があります。 |
中華料理店 | 8,000円~ / ㎡ | ほとんどがウェットキッチンを採用しているため、床のコンクリートを壊す作業が必要です。飲食店の中でも特に料金が高くなります。 |
焼肉店 | 8,000円~ / ㎡ | 排煙のためのダクトや間仕切り壁、ロースター等の設備が多い業種であるため、他の飲食店より料金が高くなります。 |
原状回復費用についてはこちらのページで詳しく解説しています。事例も多数掲載しておりますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
まとめ
飲食店の原状回復、特に工事内容や範囲や費用といった項目をご紹介しました。原状回復工事にかかる費用は決して少なくありません。なるべく安く抑えつつトラブルなく物件を明け渡すためにも事前に知識を持っておくことが大切です。
また、飲食店の原状回復は、賃貸借契約書に書かれている特約が強い効力を持ちますので、しっかり確認し、物件貸主とも話し合った上で賢く進めて行きましょう!
解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方を体形的にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。
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