2022/12/12
防音シートとは?養生シートと何が違う?シートの違いで解体業者の質(信頼度)がわかります!
解体工事現場を外から見たときに、シートの外側に「防音」と書かれているシートが使われていたり、クリーム色のパネルで覆われていたりと、様々な養生を目にすることがあると思います。今回は、防音シートや養生シートとはどのようなものなのかを説明していきます。
目次
防音シートについて
防音シートとは?
防音シートとは、養生シートの種類の一つで、防音性能に優れた解体工事の際に一番よく利用されるシートです。厚さ0.5㎜~1㎜ほどの黒色か銀色のシートで、このシートで解体工事現場を覆うことで工事中に発生する騒音をかなり抑えることができます。
また、網目状の穴が開いているメッシュシートと違い、シート自体に穴が開いていないためホコリなどの粉塵を通しにくく、粉塵が周囲に飛散しないように防ぐことができます。解体工事でトラブルになりやすいのが、騒音と粉塵ですので、こうしたトラブルを未然に防ぐためにも有効です。
風が強い場所で使用すると、足場が風の影響を受けてしまい、足場が転倒する可能性がありますので、注意が必要です。
特殊な防音シート
防音シートは、前述のように音や粉塵が外部に漏れ出すことを防ぐという特徴がありますが、黒色か銀色であることが多いため、作業場が暗くなってしまうという場合もあります。そんな場合に便利なのが「採光防音シート」です。
通常の防音シートに自然光を取り入れるという効果が追加されたシートで、証明や節電の補助的な役割を担うことになります。また、防音シートに防炎加工を施しているようなものや、防音加工したパネルを使用する場合などもあります。
養生シートについて
養生シートとは?
養生シートとは、解体工事中に発生する騒音や粉塵の飛散を抑えたり、工事現場に工具などを運搬する際に周囲の建物を傷つけたり汚したりしないようにするために設置するシートのことです。
大きさは、1.8mm×3.6mm(一間二間)と1.8mm×5.4mm(一間三間)の二つのサイズが主流で、よく使われています。その効果ごとにいくつかの種類に分かれており、通常であれば用途ごとに使い分けることになります。
養生シートの費用相場は、1枚1,500円程度ですが、シートの種類によって異なります。通常の養生シートは1㎡あたり1,500円~2,000円程度、防音シートは1枚あたり2,000円~5,000円ほどになります。
養生シートの設置は、法律で義務付けられているわけではなく、防音・防塵などの対策の一環で行っているものになりますので、必ずしも養生シートを使用しなければならないものではありません。
養生シートの役割
騒音・防塵対策
防音シートの特徴でも紹介したように、養生シートには工事で発生する騒音を軽減する効果や粉塵が舞うのを防ぐ効果があります。
工具や作業員の落下防止
養生シートを設置していることで、養生シートの外に工具や作業員が落下・転落するのを防ぐことができます。こうすることで、作業員の身の安全を確保するためだけでなく、工事現場の外の通行人などに落下した工具が落下してけがをさせる事故を防ぐという効果もあります。
その他の養生シートの種類
ここでは、防音シートのほかにどのような養生シートがあるのか紹介していきます。
メッシュシート
網目状のつくりになっており、風を通しやすいのが特徴です。丘の上や海の近くなど風が強い場所で足場を組む場合や、台風が多くなる季節、中に熱をこもらせないようにしたい場合に使用します。風通しを良くすることで、中に熱がこもらないだけでなく、足場が受ける風の影響を軽減し、倒れるなどの事故防止にも効果があります。
ただし、風通しが良いということは、解体工事で発生した粉塵などが外に出ていくということですので、周囲に一般家庭がある場合には使用しないことが多いですが、使用しなければならない場合には、あらかじめ周囲への周知と理解をしていただく必要があります。
パネルシート
パネルタイプの養生で、大きなビルの解体などの際に使用されます。街中などで、ビル全体がパネルで囲まれているような光景を目にしたことがある人もいるかと思いますが、粉塵や防音対策として、ビル工事の際には、必ずと言っていいほどパネルシートが使われます。
防炎シート(防火シート)
その名の通り、防炎加工が施されているシートで、燃えにくいのが特徴です。防炎シートは、鉄筋コンクリートの建物の解体工事で、ガスや電気による溶断を行うときに発生する火花で火事にならないようにするために使われます。鉄筋コンクリートの建物の解体に使われることが多いため、一般住宅の解体工事で使用されることはあまりありません。
水まき養生
他のものとは違い、シート状のものではありません。工事中に散水することで粉塵の発生や飛散を防ぐ効果があります。他の養生シートと組み合わせることで、粉塵の飛散をかなり抑えることができます。特に、アスベスト含有建材を除去する工事の際には、アスベストが周囲に飛散しないように水を撒くことによって、必要以上にアスベストが飛散することを防ぐことができます。
防音パネル
防音シートのようなシート状ではなく、板状になった丈夫なパネルです。ビルやマンションなどの大きな建物の解体工事の際に使用することが多いです。パネルのほうがシートよりも密度が高いため、音漏れしにくいという特徴があります。
養生シートでわかる解体業者の信頼度
前述のように、養生シートはそれぞれ特徴があり、近隣トラブルや事故を未然に防ぐためには工事現場によって使い分けがされるべきものであることがわかりました。逆に言えば、解体工事現場でどのような養生シートが使用されているかを確認すればその業者が、どのような企業なのかを見極めるポイントになります。
例えば、かなりボロボロの養生シートを使用しているのであれば、備品を大切に扱うという意識が低く、ものを乱雑に扱っている可能性が高いと考えることができます。また、経営状態が芳しくなく、備品を新調する余裕がないという場合もあります。
確かに、養生シートは消耗がはげしく、場合によっては1,2回程度の使用でダメになってしまうこともありますが、工事中の事故や近隣住民とのトラブルを防ぐという観点から見ると、きちんとしたものを使用することに越したことはありません。
いずれの場合でも、工事に際して何かしらのトラブルに発展する可能性があるという判断になってもおかしくありません。逆に、きれいな状態の養生シートに自社のマークや会社名が入っているような場合には、きちんとした備品管理を行っており、またロゴや会社名を入れたりする余裕があるという風に判断できますので、一定の評価をすることができます。
また、シートの張り方でも、その業者の仕事ぶりを見て取ることができます。防音シートであれば、外側に「防音」と書かれていることが多いですが、この文字が上下左右ちぐはぐに設置されていたり、シート間の隙間が大きいというような場合には、適当に作業を行っている可能性があり、解体工事の仕上がりに不安が残るということになります。
おわりに
今回は、養生シートに焦点を当てて紹介してきました。単に工事中の事故やトラブルを防ぐために使用するだけでなく、工事業者の信頼度を示すものであるということもわかったと思います。解体工事を依頼する場合には、実際にその業者が行っている工事現場を見てどのような感じで作業を進めているのかを確認してみてもいいかもしれません。
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