2024/04/20
滅失登記とは?自分でやる?不動産管理会社に任せる?申請書類と手続きの流れについて解説します
建物の解体をする際に、忘れてはならない手続きのひとつに「滅失登記」があります。
なんとなく難しそうに聞こえる手続きですが、「聞いたことはあるけどやり方がわからない」「やらなきゃいけない手続きが多くて不安」という方も少なくありません。
そんな建物滅失登記とは、手続きの内容や流れ、自分でできる手続きなのかなど、はじめての方でも安心して行えるように詳しく解説していきます。
目次
滅失登記とは一体なに?
土地の建物を解体や火事などで失った場合に行わなくてはならない手続きです。
不動産登記における手続きのひとつで、どの土地にどのような建物が建っているかを記してある登記簿に対して、その建物がなくなったことを証明するために必要となるのが滅失登記です。
滅失登記をすると、その建物の登記簿は閉鎖登記簿となります。不動産登記法57条で定められている大切な手続きなので、忘れずに必ず行いましょう。
覚えておきたい滅失登記のポイント
滅失登記をする際に覚えておきたい大切なポイントを3つ挙げてみました。大切な手続きは、自分で調べなくてはならないことも多く面倒に思うこともあると思います。
これから説明する3つのポイントを押さえて、さらに詳しく滅失登記について知っておきましょう。
解体後1ヶ月以内に申請
滅失登記という手続きの義務は不動産登記法第57条に記載されているため、法的に定められた義務となります。そのため、決められた期間内に必ず申請しましょう。
建物を解体してから1ヶ月以内に申請することが義務付けられており、申請をせずにいると、10万円以下の罰則金が発生します。
申請の準備でわからないことがある時には、解体を依頼している業者に相談すると安心して進めることができます。
自分で申請可能
土地家屋調査士に依頼をして手続きをしてもらうのが一般的なやり方ですが、自分で行うこともできます。
自分で行う場合には、必要書類に漏れがないかなど十分に確認した上で、期限にゆとりをもって申請してください。はじめて行う際は特に、書類の不備などで申請が受理されないことも考えられます。
アクシデントが起きても対応できるよう、早め早めに準備を進めることが大切です。
相続人が複数いる場合はうち1人が申請すればOK
建物の所有者が亡くなった際、建物を相続した方が複数人いることもありますが、相続した方全員による手続きは不要です。相続人の中の代表者1名が手続きを行うことで、申請は完了します。
相続が複数人にわたる際には、代表者に精神的負担を与えないためにも、土地家屋調査士に申請を依頼することをおすすめします。依頼費用も折半にできるので、金銭的な負担も少なくてすむはずです。
自分でやるか委託するかどっちがいいの?
不動産管理会社などに委託でも自分でも、どちらでも行える滅失登記ですが、申請するにあたってどちらの方法を選ぶか悩んでいる方もいると思います。
まず、費用面から見ると、自己の申請は1,000円前後でおさまる一方、土地家屋調査士へ依頼する場合は50,000円程度と高額になります。費用削減の目的で、ご自身による申請を検討する方が多いようです。
しかし、申請には手間がかかり、仕事をしている方などは思うように着手できないことも想定できます。
その上、申請には期限があり、申請を怠ることで罰則金も科せられる可能性があるので、自分でちゃんとできるか心配な方や忙しい方は土地家屋調査士へ依頼した方が安心です。
手間と費用のどちらを取るか、という選択になりますが、自分に合った方法がどちらかを見極めることが重要と言えます。
滅失登記申請の必要書類
申請するために必要な書類は以下の通りです。
- 建物滅失登記申請書
- 建物の登記簿謄本や図面
- 建物の地図
- 解体している写真
- 建物滅失証明書、解体業者の証明書と印鑑証明書
- 委任状(申請者が申請に行かない場合のみ)
滅失登記申請書や登記簿謄本、図面は、インターネット上で取得することができます。法務局で直接もらうこともできるので、相談窓口を利用したい方は直接取得するのもひとつの方法です。
法務局不動産登記の申請書様式について
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html
解体している現場の写真は、建物が解体された証明になります。必須の書類というわけではないので、解体現場が遠い方は無理をして撮りに行かなくてもいいでしょう。解体業者が証明として撮影してくれる場合もあります。
委任状については、自分で申請する際には必要なく、土地家屋調査士に依頼する場合は必要書類と一緒に準備してくれます。
委任状を自分で準備するケースとしては、書類の提出だけ兄弟に頼むなど、個人間での委任を検討している場合が該当するので、あらかじめ準備しておきましょう。
また、この他にも、建物の所有者が亡くなっている場合には、死亡を証明する公的書類や相続人である証明書類などが必要となります。
滅失登記の申請手続きの流れ
では、滅失登記の申請の流れについて説明していきます。流れを知っておくと自分で手続きする時に役立ちます。申請がスムーズに進められるよう準備に取り組みましょう。
建物を解体する
まずは、解体業者を決めて建物の解体を依頼しましょう。
建物を解体するとなると、手続き以外にも不安なことが次々と出てくるはずです。そんな時に気軽に相談できる業者を選ぶと、気持ちよく解体を終えることができます。
また、ここできちんとした業者を選ばないと、必要書類の不備などで後々トラブルになるケースも考えられます。
建物滅失登記申請書や登記簿謄本、図面、地図の取得と記入
次に、必要な書類を集めていきます。
滅失登記申請書は法務局のサイトから入手できます。登記簿謄本や図面は法務局で申請することで手に入りますが、この申請もオンラインででき、受け取り方法も送付か窓口での受け取りを選ぶことができます。
地図に関しては、図書館などで最新の住宅図面をコピーするか、Googleマップで周辺地図をコピーするかで対応できます。Googleマップを使用する際は、住宅図面と縮尺を合わせるため、縮尺が1/1500か1/3000となるように設定してください。
書類が集まったら、必要事項を記入していきます。記入は略さず、登記簿謄本などに書いてあるままに記入しましょう。法務局では相談窓口を設けているので、わからない箇所は相談しに行くと教えてもらえます。
解体業者から証明書類を取得
解体が完了した時点で、解体業者から建物滅失証明書や解体業者の証明書類、印鑑証明などを受け取ります。
請求しなくても必要書類を発行してくれる場合もありますが、念のため発行して欲しい書類を打ち合わせ時などに相談しておきましょう。
請求が必要な場合は、各業者の手順に従って請求を進めてください。発行には時間がかかることもあるので、早めに請求することが肝心です。
書類を法務局に提出
必要な書類をすべて揃えて、法務局に提出しにいきます。
この時、申請書類に不備があると、また再提出しに行かなくてはならなくなります。提出前に再度確認することはもちろん、訂正印を持参しておくと、予期せぬ訂正が生じた場合にもその場で対応して再提出することができます。
提出は郵便でも受け付けていますが、修正があった場合は書類の往復に時間がかかってしまうため、直接提出に行くことをおすすめします。
登録完了証の受け取り
申請が受理されると、およそ1〜2週間で登録完了証が発行され、登記の手続きは終了となります。受け取り方法も選択できますが、郵送を選ぶと法務局に足を運ぶ手間が省けて便利です。
滅失登記の申請書類や手続きなどについてまとめ
解体作業後に必須の手続きとなる滅失登記について説明いたしました。
名前が漢字ばかりでなんだか難しそうに感じる手続きですが、解体後に申請しなくてはならない義務があるので、忘れずに行いましょう。
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