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【解体用語】「開口」「コア抜き」とは?コンクリートの解体作業で頻発する用語を解説します。

名古屋の店舗の原状回復

みなさんは、「開口」や「コア抜き」といった言葉を耳にしたことはありますか。「開口」はなんとなくわかる方もいらっしゃるかもしれませんが、「コア抜き」は聞いたことがない人がほとんどではないでしょうか。今回は、コンクリートの解体や建設で使われる2つの用語を解説していきます。

開口、コア抜き工事前にもアスベスト調査が義務付けられました。令和4年4月1日のアスベスト関連法令の改正実施内容に関しましては、こちらのページで詳しく解説しています。解体業者の現場目線で変更点を解説していますので、ぜひご参照ください。

「開口」とは

名古屋の店舗の原状回復

建築用語の「開口」は、外に開かれていることを指し、開口部は窓やドア、天窓、勝手口などを指します。「開口工事」とは「開口部(ドアや窓など)を作る工事」です。

「コア抜き」とは

「コア抜き」とは

「コア抜き」に関しては、のちほど詳しく説明しますが、端的にいえば、コンクリートに穴をあけること、またその工事を指します。ここで、「開口」と「コア抜き」の関係を考えると、「コア抜き」は「開口」工事のための手段であると考えることができます。

コア抜きとは、コンクリートの壁に穴を開ける工事のことですが、似たような工事でスリーブ工事というものがあります。ここでは、コア抜きとスリーブ工法の違いについてみていきます。

先にも述べたように、「コア抜き」とは円形のダイヤモンドコアビットを使い、コンクリートの塀や壁に穴を開ける工事のことです。「コアボーリング」や「コア削孔」、「コア穿孔」などと呼ばれることもあります。

改修工事や設計ミス等によるスリーブ(穴)の入れ忘れの際に行われるものであり、基本的にはすでに出来上がっている建物の壁や堀にあとから穴をあけることになります。

具体的には、エアコンを設置する際にダクトを通す穴を開ける場合や建物の基礎部分に下水道管を通す穴をあける場合などに使用されます。

コア抜きの手順

コア抜きの手順

①事前調査・レントゲン撮影

まずは、安全に穴をあけることができる箇所を探す必要があります。コンクリート壁の中には、強度補強のための鉄筋が入っていたり、電線や電話線が通っている場合があります。

何も考えずに穴をあけて、これらに損傷を与えてしまわないように、図面を確認したり、場合によってはレントゲン撮影をしたりして、コンクリートの内部を調査し、安全に穴を開けることができる場所を探します。レントゲン撮影を行う時は「X線作業主任者」という国家資格が必要になります。

②騒音・粉塵等の対策(養生など)

機械を使用してコンクリートに穴をあけるため、工事の際には大きな音が出るとともに、粉塵が飛散する可能性があります。近隣の方へ工事の連絡を行うとともに、粉塵の飛散防止のための簡易養生などを施します。

③アンカー打ち

①で特定した穴をあけることができる場所に、コア抜きをする機械を固定するためのアンカーを打ち込みます。アンカーを打つ場所がない場合には、ハンディタイプのドリルを使うこともあります。

④穴をあける

穴をあける準備が整えば、機械を使って穴をあけます。

⑤後片付け

開けた穴の内部に残るコンクリートや飛散したコンクリート片や粉塵、簡易養生などを撤去して作業は終了です。

コア抜きの種類

コア抜きには、「乾式穿孔」と「湿式穿孔」という2つの方法があります。乾式穿孔とは、ハンマードリルにコンクリート専用のキリを装着して穴を開ける方法で、湿式穿孔とは、コアドリル(穿孔機)の先端にダイヤモンドビットを装着し、水を使いながら穴を開ける方法です。

それぞれの特徴は以下の通りです。それぞれ一長一短ですが、工事の際に粉塵を抑えることができるため湿式穿孔を採用する場合が多いです。

メリット デメリット
乾式穿孔 ・湿式より手軽に行うことができる

・水がなくても実施できる

・水漏れの心配がない

・大量の粉塵が舞うため、防塵マスク・防塵メガネ、養生が必要

・摩擦熱によるドリルの消耗が早い

・打撃で穴を開けるため、貫通するときにコンクリート面が崩れることがある

湿式穿孔 ・粉塵の飛散を抑えることができる

・高精度な穴あけが可能

・冷却水で摩擦熱を冷ますことで、ダイヤモンドビットが長持ちする

・機械が高額

・機械の取り扱いが難しい

・汚水(切断水)の養生、処理に手間がかかる

・周辺に電気機械に注意が必要

コア抜きの工事費用

コア抜きの工事費用

コア抜きの工事費用は、穴の大きさ、コンクリートや現場の状況などによって費用が決まりますが、エアコンを設置する際のダクト穴を開ける場合だと約5万円程度、階段に手すりを付けるために約20か所穴をあける場合で、約15万円程度と比較的高額です。

先にも少しありましたが、コア抜きで使用する工具や使用する刃が高額であること、廃材の処理に手間と費用が掛かることから、費用が高額になりがちです。

スリーブ工法(スリーブ工事)

スリーブ工法

スリーブ工法(スリーブ工事)とは

建物を建築するときに、電気や空調設備、電話、インターネットなどの配線や配水管、ガス管などを通すための「スリーブ」という貫通孔をあらかじめ開けておく工法です。コア抜きとの明確な違いは、穴を建設時に開けるか、完成後に開けるかの違いになります。

スリーブ工法(スリーブ工事)の手順

スリーブ工法

スリーブ工事は、穴をあけたい場所にスリーブを取り付け、生コンクリートを流し込み、コンクリートが固まった後で管を外して穴を作ります。スリーブ(貫通孔)があると、コンクリートの強度が低下するため、スリーブ周辺はウェブレンという部材で補強します。以下では、詳しい手順を見ていきます。

①墨出し

スリーブを取り付ける場所に印をつけていきます。施工図を参考にし、鉄筋組立の前に間違いのないように慎重に墨出しします。墨出しした部分は避けて鉄筋を組まなければならないため、組み立ての前に行います。

スリーブ間の間隔が狭いと繋がって大きな穴になってしまう可能性があります。設計の段階で、きちんと間隔はとってあるはずですが、もし危険だと思ったらその時点で確認が必要です。

②スリーブの段取り(スリーブの設置)

鉄筋コンクリート造の建造物の場合、梁は鉄筋を持ち上げた状態で組み立て、型枠内に落とし込みます。そのため、鉄筋が組みあがるタイミングを見計らって、梁鉄筋を落とし込む前にスリーブ材を鉄筋内に設置します。スリーブには、ボイド管(筒状の紙管)や樹脂製のスリーブ管などを使用します。

③スリーブの固定

生コンクリートを流し込んだ時にずれないように、スリーブを型枠の両側面に釘で固定します。

④スリーブ周囲の補強

スリーブ(貫通孔)があると、コンクリートの強度が低下するため、ウェブレンを取付けたり、補強筋で補強したりする。

⑤コンクリートの打設

準備が整ったら、コンクリートの打設を行います。この時、コンクリート打設業者はコンクリート打設に集中していますので、スリーブが取り除かれたりしないように打設に立ち会う必要があります。これを合番(あいばん)といいます。打設後必要な場合のみ、コンクリートが固まったらスリーブを取り除き、スリーブの完成です。

スリーブの種類

工事で使用するスリーブには様々なものがあります。その時々で最適なスリーブを選択する必要があります。ここで、いくつかスリーブを紹介します。

紙スリーブ

(紙ボイド管)

壁や床に使用。

最も安価で加工しやすいが、コンクリート打設後抜くのが大変。

鋼製スリーブ 壁や床の躯体を抜くときに使用。

壁に取り付ける場合には、中心に縦にスリーブを取付ける

塩ビ管スリーブ 壁、梁などに使用。

コンクリート打設後、抜く必要がない

防水鋳鉄管 鋳物で、地中引込で使用。

管路口には防水装置が付いており、ケーブルを通した後、蓋をする

つば付スリーブ 地中梁の外部面、外壁に使用。

SGP管に止水用のつばを付けたスリーブ

まとめ

名古屋の店舗の原状回復

今回は、開口の方法としてのコア抜きとスリーブ工法(工事)を紹介しました。できるだけわかりやすく表現したつもりですが、専門用語も多くわかりにくい部分もあったかと思います。

もしわからない場合などは、わからないままにせず業者に確認して、きちんとした知識や理解を持ったうえで、工事を依頼することが大事です。

原状回復・解体工事に関する基礎用語はこちらのカテゴリー一覧にもまとめております。これだけは覚えておきたい!という用語をまとめておりますので、ぜひこちらもご参照ください。

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